昨日、こんな夢を見た。
薄紫色に染められた駐車場。
車が見つからないんです。
このままでは。 ああこのままでは…
どこにも行けない。 帰れない。 だから探すのに見つからない。 見当たらない。 見えない。
探すけれど、見当たらない。
どこに置いたか? 記憶は磨り潰されてペシャンコ。 何処へ?
消え果て ただ当て所もなく彷徨う。
空は青くても 夕方になっても 星空に照らされても こんなにも他人の車はあるというのに私だけの車だけがない。
端から端へ。 隅から隅っこ。 また最初から。
そして気づけば他者の車だけが入れ替わってまた始めから。
気づけば、錆び付いた他人の車だけが置いてあって、それでも探すけれどわからない。
疲れ果てて座り込んで見上げれば、空はただ青い。
嫌味なまでにただ青くて風だけが空しく頬を撫でていく。
ふと気づく。 幾夜も時は過ぎて、誰もいなくなり、全ては錆びて朽ちていくのに自分だけが何も変わらず。
幾万もの夜を越えて一人でただここにいたことを。
それでも見つからない。
自分だけのそれだけが、探しても、探しても、ああ探しても…。
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