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2018年04月22日13:00
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「ルドン〜秘密の花園」/三菱一号館美術館
(続き)
4/10(火)は、演奏会がはねたのが遅かった為、外食はやめ、コンビニでワインとつまみを買い、永田町のホテルの部屋で夜食とした。
ワインよりもマーラーの混沌に酔って寝た。
翌11日(水)朝、まずは東京駅へ出て、オープンの10:00には三菱一号館美術館前に着いていた。
ルドン作品はこれ迄随分観てきたが、版画を除くと、今回の展覧会が最も規模が大きい。
◆「ルドン〜秘密の花園」
・会期 2/8〜5/20
以下のリンクは、2011年に浜松市美術館で開催された「ルドンとその周辺」展のレポート。
http://
日本で最もルドン作品を保有する量の多い岐阜県立美術館の所蔵品による企画だった。
今展は、前回、2月の上京時に観るつもりでいて、結局果たせなかったものである。
8章構成で、関連品含め93点が世界の美術館から集められた。
チャプターは以下の通り。
1.「コローの教え、ブレスダン(*1)の指導」
2.「人間と樹木」
3.「植物学者アルマン･クラヴォー(*2)」
4.「ドムシー男爵の食堂装飾」
5.「”黒”に棲まう動植物」
6.「蝶の夢、草花の無意識、水の眠り」
7.「再現と想起という二つの岸の合流点にやってきた花々」
8.「装飾プロジェクト」
(*1)ロドルフ･ブレスダン、版画家でルドンの師。彼の影響下で、黒の作品群をルドンは30歳代の終わり迄描いた。
(*2) アルマン･クラヴォーは、当時最新の顕微鏡で微小動植物を見せた。ルドンはそれに魅せられ、人とも植物とも動物とも判らぬもの達を繰り返し描いた。
オディロン･ルドン(1840-1916)とクロード･モネ(1840-1926)は同じ時代に生きた。
モネは印象派を牽引して、世に出、その名と作品は大いに売れた。
モネと印象派は、光と色、謂わば見えるものの世界を描いた。それに生涯執着し、逆に見えないものは一切描かなかった。人間の内面の動き等、作品化する興味を持たなかった。
印象派に物足りなさを感じる人は、大概その点を言う。
印象派がもてはやされた19世紀後半の時代、ルドンの作品は、ほんの一握りの人達にしか理解されなかった。
彼が描いたのは、一途に見えない世界である。
繰り返し描いた花々も虫達も、よくよく見れば、そんな花や虫は自然界に存在しない事に気づく。
象徴的な作品がある。タイトルは《眼をとじて》(1890年他複数あり)。
目を閉じて初めて見えるものがある。
内面の目でしか見えないものがある。
画像は、前掲のリンク参。
ポール･ゴーギャン(1848-1903)は印象派の下からスタートし、物足りなさを感じ、決別した。
アルルで同棲したゴッホには、繰り返し目に見えないものこそ重要であって、それを描くべきだと主張した。
彼の動向がポスト印象派を、そして象徴派を生んだ。
残されたゴーギャンの言動には、ルドンに親近感を抱き評価しているものが多々ある。
今展の目玉はチャプター4.の「ドムシー男爵の食堂装飾」である。
1900年、ロベール･ド･ドムシー男爵が自身の城館の食堂の壁(総面積36�峩�)を飾る作品をルドンに任せた。
ルドンは1年間の制作期間を経て、この食堂に16点のサイズの異なる作品を展示した。
その中心作品が《グラン･ブーケ(大きな花束)》で、現在は三菱一号館美術館が所蔵している。サイズ、248×163cm。
他は、現在オルセー美術館が持っている。
各作品はトータルで有機的な関係を持っている。ある作品に描かれた樹木の枝は、隣の作品の中に迄伸びている。
ヒナギクの花は、ある画面では太陽である。
全体が落ち着いた黄色系で描かれているが、《グラン･ブーケ》のみ、青,緑から赤迄、明るい花盛りの色彩となっている。
もう1つ元ドムシー男爵家にあり、今、岐阜県立美術館が持つ作品に《神秘的な会話》(1896)がある。〈東屋の下の二人の女〉と呼ばれていた時代もある。
この縮小版印刷パネルが、昔我が家のリビングに掛かっていた。
1995(平成7)年の年賀状に、そのパネルと娘2人を映した写真を載せた事がある。
以下、印刷前のカット。
写真の下に入れた言葉は、曰く「O.ルドンの《東屋の下の二人の女》〜の下の二人の女」と。
長女が中三、次女が中一だった。
各作品の画像は、以下公式ホームページをご覧頂きたい。
・[本展の見どころ]
http://
三菱一号館美術館では、藤原葵 個展「形態 Form」を並行開催していた。
・会期 3/20〜4/15
藤原葵(1994- )は愛知県出身、アートアワードトーキョー丸の内2017で三菱地所賞を取った。
展示は大型の抽象画3枚。
画風が変化したのかと思っていたら、2015年に駿府博物館で観たのは、藤原由葵(1978- )だった。
(続く)
4/10(火)は、演奏会がはねたのが遅かった為、外食はやめ、コンビニでワインとつまみを買い、永田町のホテルの部屋で夜食とした。
ワインよりもマーラーの混沌に酔って寝た。
翌11日(水)朝、まずは東京駅へ出て、オープンの10:00には三菱一号館美術館前に着いていた。
ルドン作品はこれ迄随分観てきたが、版画を除くと、今回の展覧会が最も規模が大きい。
◆「ルドン〜秘密の花園」
・会期 2/8〜5/20
以下のリンクは、2011年に浜松市美術館で開催された「ルドンとその周辺」展のレポート。
http://
日本で最もルドン作品を保有する量の多い岐阜県立美術館の所蔵品による企画だった。
今展は、前回、2月の上京時に観るつもりでいて、結局果たせなかったものである。
8章構成で、関連品含め93点が世界の美術館から集められた。
チャプターは以下の通り。
1.「コローの教え、ブレスダン(*1)の指導」
2.「人間と樹木」
3.「植物学者アルマン･クラヴォー(*2)」
4.「ドムシー男爵の食堂装飾」
5.「”黒”に棲まう動植物」
6.「蝶の夢、草花の無意識、水の眠り」
7.「再現と想起という二つの岸の合流点にやってきた花々」
8.「装飾プロジェクト」
(*1)ロドルフ･ブレスダン、版画家でルドンの師。彼の影響下で、黒の作品群をルドンは30歳代の終わり迄描いた。
(*2) アルマン･クラヴォーは、当時最新の顕微鏡で微小動植物を見せた。ルドンはそれに魅せられ、人とも植物とも動物とも判らぬもの達を繰り返し描いた。
オディロン･ルドン(1840-1916)とクロード･モネ(1840-1926)は同じ時代に生きた。
モネは印象派を牽引して、世に出、その名と作品は大いに売れた。
モネと印象派は、光と色、謂わば見えるものの世界を描いた。それに生涯執着し、逆に見えないものは一切描かなかった。人間の内面の動き等、作品化する興味を持たなかった。
印象派に物足りなさを感じる人は、大概その点を言う。
印象派がもてはやされた19世紀後半の時代、ルドンの作品は、ほんの一握りの人達にしか理解されなかった。
彼が描いたのは、一途に見えない世界である。
繰り返し描いた花々も虫達も、よくよく見れば、そんな花や虫は自然界に存在しない事に気づく。
象徴的な作品がある。タイトルは《眼をとじて》(1890年他複数あり)。
目を閉じて初めて見えるものがある。
内面の目でしか見えないものがある。
画像は、前掲のリンク参。
ポール･ゴーギャン(1848-1903)は印象派の下からスタートし、物足りなさを感じ、決別した。
アルルで同棲したゴッホには、繰り返し目に見えないものこそ重要であって、それを描くべきだと主張した。
彼の動向がポスト印象派を、そして象徴派を生んだ。
残されたゴーギャンの言動には、ルドンに親近感を抱き評価しているものが多々ある。
今展の目玉はチャプター4.の「ドムシー男爵の食堂装飾」である。
1900年、ロベール･ド･ドムシー男爵が自身の城館の食堂の壁(総面積36�峩�)を飾る作品をルドンに任せた。
ルドンは1年間の制作期間を経て、この食堂に16点のサイズの異なる作品を展示した。
その中心作品が《グラン･ブーケ(大きな花束)》で、現在は三菱一号館美術館が所蔵している。サイズ、248×163cm。
他は、現在オルセー美術館が持っている。
各作品はトータルで有機的な関係を持っている。ある作品に描かれた樹木の枝は、隣の作品の中に迄伸びている。
ヒナギクの花は、ある画面では太陽である。
全体が落ち着いた黄色系で描かれているが、《グラン･ブーケ》のみ、青,緑から赤迄、明るい花盛りの色彩となっている。
もう1つ元ドムシー男爵家にあり、今、岐阜県立美術館が持つ作品に《神秘的な会話》(1896)がある。〈東屋の下の二人の女〉と呼ばれていた時代もある。
この縮小版印刷パネルが、昔我が家のリビングに掛かっていた。
1995(平成7)年の年賀状に、そのパネルと娘2人を映した写真を載せた事がある。
以下、印刷前のカット。
写真の下に入れた言葉は、曰く「O.ルドンの《東屋の下の二人の女》〜の下の二人の女」と。
長女が中三、次女が中一だった。
各作品の画像は、以下公式ホームページをご覧頂きたい。
・[本展の見どころ]
http://
三菱一号館美術館では、藤原葵 個展「形態 Form」を並行開催していた。
・会期 3/20〜4/15
藤原葵(1994- )は愛知県出身、アートアワードトーキョー丸の内2017で三菱地所賞を取った。
展示は大型の抽象画3枚。
画風が変化したのかと思っていたら、2015年に駿府博物館で観たのは、藤原由葵(1978- )だった。
(続く)
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