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2016年06月11日17:13

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読書日記Nо.920(日本人の知らない日米関係の正体)

■八幡和郎「日本人の知らない日米関係の正体」2016年5月SB新書

副題は、“本当は七勝三敗の日米交渉史”。

日米関係は、特に昭和20年の敗戦後、日本の外交におけるメインテーマ
となっているが、先月のオバマ大統領の広島訪問が、今後の両国の関係の
ひとつの転機となるかもしれない。

本書は、幕末にペリーが黒船四隻で来航以降現代までの、日米関係史に
ついて、トピックスを中心に、論評したもの。

断片的には、知っているトピックスばかりだが、その真相や裏面史について
あらためて読んで、頭の中が整理できた。

もっとも、それが整理できて何なんだというツッコミもあるが、知識道楽の
一環ですから、まぁ、いいじゃないですか。

惹句を、ちと長いが紹介しちゃいます。

“日米関係の今後を歴史に学ぶ!”

“ペリー率いる黒船艦隊来航による開国から、環太平洋パートナーシップ
(TPP)協定の締結まで、日本はアメリカとの白熱交渉の中で自国の国益を
確保してきた。”

“途中、日米開戦と敗戦という痛恨の失敗もあったが、その後、両国の同盟
関係は深化を遂げ、いまや中国の野望への最も有効な対抗軸にもなっている。”

“現代に生きる上で必須の教養である「知られざる日米関係史」!”

“日米関係は既に新たなステージに踏み出した ”

“集団的自衛権を認めた安保法案、および経済的にはTPPの話がまとまり、
日米関係は新たなステージに踏み出そうとしている。
対米関係の未来、日米中のパワーバランス、米中のG2時代を占う! ”

続いて、目次も全部紹介します。

プロローグ モンロー主義と鎖国で引きこもっていた日米両国の出会い
第一章 アメリカが鎖国日本の扉を開けたのは偶然ではない
第二章 明治維新から日露戦争まで
第三章 第一次世界大戦から満州事変まで
第四章 日華事変から太平洋戦争へ
第五章 マッカーサー元帥と占領時代
第六章 戦後と呼ばれた時代
第七章 世界経済の覇権と通商摩擦
エピローグ 安倍政権とオバマの日米新時代

著者は、1951年生まれの通産省(現経済産業省)のキャリア官僚で、退官後
近現代史を中心とした、作家・評論家活動をしている方。

日本は、敗戦後以来、実質的(軍事的)には、アメリカの属国であることは、
明確だが、アメリカの覇権は、日本の政官財のエスタブリッシュメントに及び、
親米的であることが、日本の政官財の暗黙の条件となっているようだ。

だから、そうではない政治家、例えば田中角栄・小沢一郎・鳩山由紀夫は、
アメリカに潰された。(ルーピーな鳩山由紀夫はそうでなくても、自壊していた
のだろうが)

著者は、本書を読めば、極めて親米的な元官僚であることがわかり、
その意味で、出世してきたろうなというのが正直な実感。

著者の八幡さん、ちょっと、アメリカの肩を持ちすぎていませんかと。

まぁ、その立ち位置は、割り引いても、ペリー来航以降の日米関係史を頭で
整理できるのが、本書のお手柄です♪
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