mixiユーザー(id:60260068)

2015年03月23日12:02

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詩『sshachou』


眉間の皺ひとつでオフィスの吐息は凍りつき
床に磔にされたヒールマークのそばで
スローモーションの映像が音もなく砕けちる

雪に覆われた平原に風はなく
空は満面の雲をとおして冷たい白光をはなっている

グリズリーが横切る

聴こえるのは見る者の命乞いの音
見えるのは雪原と雪につぶされそうな樹林

どさり、と雪の塊がおちる

静けさは更に深まり

グリズリーが茂みに見えなくなる

どっ、と流れ出す彩りが
音を戻し
命の悦びを呼びさまし
文明の谷間で原始の毛づくろいがつづく



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