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2014年12月08日08:52

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読書日記No.782(荒神)

■宮部みゆき「荒神」2014年朝日新聞出版刊

先週半ばから、ほんとうにひさしぶりに体調を崩し、医者に行ったら、
ウィルス性胃腸炎とのこと。

自分では、胃腸から来る風邪、と分類しているが、数年に一度は、
今の時期に罹患する。

仕事のストレスとか疲れとか宴会とか本格的な寒さの到来とか、いろいろ
悪条件が重なって罹るが、今回は、特に土曜日が辛かった。

比較的安静にしていたが、気持ちが萎えていたので、キックを入れようか
と思って手に取ったのが、本書。

560ページの本なので、読むのに気合がいるのです。気持ちがついていかな
かったら、途中で読むのをやめたらいいやと、とにかく手に取る。

でも、読み始めたら、一気に惹き込まれて、昨夜、読了。

心身にキックが入ったのか、今朝は、久しぶりに心身ともにすこぶる快調
で、やる気もみなぎっています。

私のマイミクさんは、小説読みの方も多いので、本書も10人くらいの方が
確か日記に書かれていたように記憶している。

本書の惹句を紹介しますね。

“元禄太平の世の半ば、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅状態となる。
隣り合う二藩の反目、お家騒動、奇異な風土病など様々な事情の交錯する
この土地に、その「化け物」は現れた。”

“ 藩主側近・弾正と妹・朱音、朱音を慕う村人と用心棒・宗栄、
山里の少年・蓑吉、小姓・直弥、謎の絵師・圓秀……
山のふもとに生きる北の人びとは、
突如訪れた「災い」に何を思い、いかに立ち向かうのか。
そして化け物の正体とは一体何なのか――!?
その豊潤な物語世界は現代日本を生きる私達に大きな勇気と希望をもたらす。
著者渾身の冒険群像活劇。”

宮部みゆきさんは、怪異物の時代小説の名手で、たくさん読んできたが、
本作品の怪異さは、いままでの作品とは全く異質。

「怪物」が、人間の村を破壊し、人間を殺し喰らい暴れまわる。
その迫力たるや、どうししゃったのかと思うほど、宮部さんの筆は撓いまくる。

暗喩として、原発事故を想像してしまったが。

人間の業と怨念の塊である「怪物」は、最終的には退治されるのだが、途中の
描写がCG映像をみせつけられるように、リアルだった。

読み手の私も病身で、頭ではコントロールできない身体の現実を実感しながら
物語と同期しながら、読み進めたら、心身に強いキックが入って、しゃんとした。

・・・ということで、マイミクさんの日記にも数日間、目を通しておらず、100通ほど
溜まっていますが、必ず目を通しますので、しばらくお待ちください。

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