【和歌】(月)
かすみなき夜にもさやけき月なれど われなうつしそ恋うせにけり
月見れば来し方ともに眺めつつ あふを契りしかの女を覚ゆ 〔女(め)〕
新月の鋭きに晒してゆく末の 命をかけたる業にいどめり 〔鋭(と)き、命(めい)、業(げふ)〕
天の原 望月の君なほならむ われを照らして雲なかくれそ
恋ふばかり弓はり月の影に引く めてに強ひたるつるぞ切れにき
〔めて=馬手・右手、強(し)ひ〕
【現代短歌】
おとうとが森の広場の楠を背に少年達に囲まれている
思い出す畳を伝ってふるわせる母の鼾はカミナリだった
マーラーの交響曲の『巨人』去り 私の胸をティンパニが打つ
私なら地面の上に立っている 草原を見れば走りたくなる
助手席に奴を乗せた日々、いつだった 空に火の玉ビックリしたね
子の刻のひとり仕事場居のこりて サイレン、バク音、カンキセンの音
砂原の針の先にて憩う塵の 風に吹かれて失せるがごとし
木の葉ちる うるおい断って地におちる 風にさらわれ と惑いながら
【オチャラケ短歌】
*第一外国語(佐賀弁風)
秋じゃなか?春ば詠まんばて 言わすぎんた 詠めんてことも なかとばってん
*第二外国語(長崎弁風)
秋んごたる 春ば詠まんばて 言わすとなら 詠まれんことも なかとさね
*第三外国語(北九州弁風)
もう秋ばい!春を詠めっち ゆうんなら 詠んじゃあけど 詠んじゃろうかあ?
*和歌 (平安風)
秋なれど 春詠みたまへと のたまはば え詠まざりとは 申しはべりぬ
*現代
秋の日に 春の歌など 聴きたいと 思えばいつでも iTunesだよ
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