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2014年11月01日04:17

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平安的古語による七五調・現代詩 『虚水』改稿分


透きたる壁にかくまれて
すぎたる水に漬かさせて
十二単を引きしろひ
うるはしき赤、いつはれり

光あるうち懸命に
身をばけづりて揺り游ぐ
目皮の閉づるよひやみに
とこに逃ぐるは青をとこ

さかづる心もちたれど
今はあたはず真砂にて
夢路にかよふ川くだり
黄なるなみだぞ流しける



【註釈】
かく(囲)まれて
漬(つ)かさせて=浸けられて
引きしろひ=引きずり
うるはしき=鮮やかな
いつは(偽)れり=嘘をつく
けづ(削)り
目皮(まかは)=目蓋
とこ(床)=寝床
青(あを)をとこ=若者
さかづる=目尻が上がる、腹立たしい
黄なる涙=くやし涙(動物が流す血の滲む涙)
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