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2014年05月21日21:55

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■「デカンショ節・異聞」

●2014年05月21日 (水)  晴れ

 ▼町田嘉章・浅野建二(編)『日本民謡集』(岩波文庫)は、日本の代表的な民謡、約225篇を
  収録しているが、兵庫県からは、下図の(15)灘酒屋歌、(16)網干音頭、(17)デカンショ節
  の3曲をあげている。

  しかし、この中で最も有名な一曲となれば、「デカンショ節」であろう。

  
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      ※「拡大して見る
        http://www.geocities.jp/narato/gf/2014_05_21_jpg01_dekan.jpg

  
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 ▼丹波・篠山は、青山氏六万石の旧・城下町で、徳川中期に、ここの藩儒であった何某が
  士気を鼓舞するために作詞したとされている。

  しかし、実際はそれ以前に、味間(あじま)村、現在の南丹町味間あたりで、古くから
  歌われていた「糸紡ぎ唄」で、

   「♪ てこんしょ、てこんしょで、半年ァ暮らす、
      あとの半年ぁ、泣いて暮らす」

  という歌詞をもつ「哀歌」があった。


  明治40年ころ、旧藩校・鳳鳴塾の学生が東京に出て歌い出したものが、
  人気になり、大学・高校生の間で流行したものらしい、と『日本民謡集』に
  注釈がある。



 ▼これについて、「ウイキペディア」では、さらに、詳しい説明をしている。


  「旧篠山藩主の青山家は、明治維新後は学問を奨励し、篠山に鳳鳴義塾などの
   私立の中学校を作り、その中の優秀な者は東京に寄宿舎を作り遊学させた。
  
   篠山からの遊学生は、例年、夏には千葉県の八幡の浜で過ごしていた。
   明治31年(1898年)の夏、宿泊先の江戸屋の二階で、元藩主青山忠誠の養子・
   青山忠允をはじめとする篠山出身の若者達が、郷土の盆踊り歌を蛮声を張り上げ
   うたっていた。

   それを、たまたま階下に宿泊していた旧制一高の水泳部員の塩谷温達が、この歌を
   聞きとめ、たちまち気に入ったという。

   そこで、一高水泳部員達は、篠山出身の若者たちに付添っていた亘理章三郎
   (後の東京高等師範学校教授)などから歌の指導をうけ、意気投合した。

   そして、東京に戻ってからも歌ったのであった。

   これによって、多くの学生や若者の共鳴を受けて愛唱されるようになり、
   全国に広まった。

   また、デカンショ節の歌詞の多くを亘理章三郎が作成したという伝承もある。」


 ▼「デカンショ」の意味については、『日本民謡集』では、「天下将」「徹今宵」、
  篠山方言「デゴザンショ」 あるいは、丹波杜氏の「出稼ぎしょ」など異説が多いが未詳。
  デカルト・カント・ショーペンハウエルの三哲人の頭字とするのは、「附会(こじつけ)説」
  としている。


 ▼しかし、これにいても、「ウイキペディア」は、次のように述べている。

  「兵庫県篠山市ホームページのデカンショ節考によると、『篠山町七十五年史』で、
  上記の「デカルト」「カント」「ショーペンハウエル」の略であるという説が
  正しいであろうと述べているが、『篠山町百年史』では、様々な説があるが、
  デカンショという言葉は掛け声にすぎないとして、この説を推しているわけではない。」



 ▼いずれにせよ、元来「♪ てこんしょ、てこんしょで半年くらす」と歌っていたのであれば、
 「てこんしょ節」という題名であったかもしれない。

  しかし、「てこんしょ節」と活字になったものがなく、口承であったならば、
  学生が歌って流行らせた時点では、題名も、また、「てこんしょ」から「デカンショ」に
  変じ、 学生節の「デカンショ節」に、学生たちは三哲人への思い入れを込め、
  「題名」とともに、「デカンショ節」を歌ったのかもしれない。

  (※「でかんしょ節」という表記ではなく「デカンショ節」と一般には表記)


  



 ▼明治の学生が歌ってから、約40年後、昭和39年(1964年)にコンパでこの唄を
  私たちは歌った。

  「♪丹波篠山、山がの猿が・・」のあたりに、とくに「力」を入れ、声を張上げて
  歌ったような記憶がある。

  「明治は遠くなりにけり」と言うけれど、私には最近いよいよ「明治」は近くなっている。

  私がこの唄を歌ってから今日まで、ちょうど半世紀・50年が過ぎたのである。
  過ぎた時間は、明治の学生たちが歌って遅れること40年、その40年を早や
  10年も超えているのである。
 

 ▼いま、現在、篠山市域で広く歌われている歌詞は、以下のように丹波の風物をよみこんだ
  ものである。(「ウイキペディア」より)


    ♪ デカンショデカンショで、半年暮らす (アヨイヨイ) 
    あとの半年、ねて暮らす (ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ)
 
    ♪丹波篠山、山家の猿が (アヨイヨイ) 
     花のお江戸で、芝居する (ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ)

    ♪酒は飲め飲め、茶釜でわかせ (アヨイヨイ)
     お神酒あがらぬ、神はなし (ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ)

    ♪灘のお酒は、どなたが造る (アヨイヨイ)
     おらが自慢の、丹波杜氏 (ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ)

    ♪雪がちらちら、丹波の宿に (アヨイヨイ)
     猪がとびこむ、牡丹鍋 (ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ)

    ♪丹波篠山、鳳鳴の塾で (アヨイヨイ)
     文武きたえし、美少年 (ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ)

    




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