7/7(土)、アクトシティ浜松中ホールで開催された浜松混声合唱団演奏会に行ってきた。
my mixiのもみのきさんが出演される。
しかし、実は「浜松混声合唱団」というものを、私は知らなかった。
今回判ったのだが、年末のベートーヴェン交響曲第9番に向けては、同じメンバーが「フロイデ合唱団」として活動しているのだ。フロイデ合唱団は年末の第9向け、「1年を通したジェネラルな顔」は浜松混声合唱団…こういう表現で宜しいでしょうか？もみのきさん。
でも、去年の7月には、確かフロイデ合唱団として、モーツァルトの「レクイエム」を歌ったんじゃなかったかな。
あれは、フロイデ合唱団のNPO法人化10周年を記念したものだったか。
少しややこしい（笑）。
昨年のモーツァルト「レクイエム」演奏会と、フロイデ合唱団の略歴等については、以下参。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1756490902&owner_id=3341406
昨年は、もみのきさんが急病になられ、残念ながら演奏会に出演できなくなってしまうというアクシデントがあったが、今回は見事に復帰され、元気なお顔で歌っていらして、本当に良かった。
私は早目に出掛けたので、席は第6列の真ん中を占める事ができた。
演奏者や指揮者,ピアニストの動きや表情もよく見えた。
当日のプログラムは以下の通り。
◆第1ステージ
指揮 斎藤令、ピアノ 落合洋美、合唱 浜松混声合唱団
1.『椰子の実』詩 島崎藤村/作曲 大中寅二
2.『島唄』詩・作曲 宮沢和史
3.『浜辺の歌』詩 林古渓/作曲 成田為三
4.『砂山』詩 北原白秋/作曲 山田耕筰
5.『南海譜』詩 谷川雁/作曲 新実徳英
◆第2ステージ
ソプラノ独唱 桑田葉子、ピアノ 嘉山敦子
1.『夢路より』詩・作曲 スティーヴン・フォスター/訳 津川主一
2.『むこうむこう』詩 三井ふたばこ/作曲 中田喜直
3.『悲しくなったときは』詩 寺山修司/作曲 同上
4.『からたちの花』詩 北原白秋/作曲 山田耕筰
5.『野ばら』詩 ヨハン・ウォルフガング・ゲーテ/作曲 フランツ・シューベルト
6.『我が母の教え給いし歌』(「ジプシー歌曲集」より)原詩アドルフ・ハイドゥーク/独語訳・作曲 アントニン・ドポルザーク
7.『白銀の月よ』(歌劇『ルサルカ』より)台本 ヤロスラフ・クヴァピル/作曲 同上
8.『歌に生き、愛に生き』(歌劇『トスカ』より)台本 ルイージ・イッリカ&ジュゼッペ・ジャコーザ/作曲 ジャコモ・プッチーニ
<休憩>
◆第3ステージ
指揮他第1ステージと同
混声合唱とピアノの為の『新しい歌』作曲 信長貴富
第1曲『新しい歌』詩 フェデリコ・ガルシア・ロルカ/訳 長谷川四郎
第2曲『うたを うたう とき』詩 まど・みちお
第3曲『きみ歌えよ』詩 谷川俊太郎
第4曲『鎮魂歌へのリクエスト』詩 ラングストン・ヒューズ/訳 木島始
第5曲『一詩人の最後の歌』詩 ハンス・クリスチャン・アンデルセン/訳 山村静
第2ステージの桑田葉子は、一昨年,昨年と、年末のフロイデ合唱団第9演奏会のソプラノソリストという縁で、今回、ゲスト出演である。
男声女声混合の4部合唱が基本だが、第1ステージ第3曲の『浜辺の歌』は女性3部、そして、第4曲『砂山』は代わって男声3部合唱。後者は、無伴奏の編曲譜による。この曲は、この合唱団のベーシックな質の高さを実感させる素晴らしい出来だった。
第3ステージ、当日のメイン『新しい歌』は、現代作曲家の大曲で、大変チャレンジングな選曲だった。
信長貴富は、1971年生まれだから今年41歳になる計算の若手作曲家。
自身の合唱経歴から、声の為の曲が圧倒的に多いが、室内楽曲や器楽曲もあるようだ。
この曲は2000年に作られている。当初は男声合唱用に作曲され、初演後間もなく、混声合唱用に自身が作り直した。
上記プログラムで判るように、東西の詩人から、いろんな「歌」にまつわるものを選び、組曲にしたものだ。
声による交響的な作りというよりも、旋律と言葉を大事にした作りで、「歌」がどんな力を持ち得るか、作曲家自身もチャレンジしたのだろう。
第1曲は、指鳴らしのずらしたリズムで始まり、拍手も加わる。指鳴らしも拍手も全員でやるのではなく、選んだ人で構成していて、どんな楽譜表記になっているのかな、と聴きながら思う。
ゴスペル風で、心楽しく、自由に開放的に盛り上げていく。
第2曲は、無伴奏。ゆっくりとしたテンポでハーモニーを楽しむ。ハミングが素晴らしい響きを醸し出す。
第3曲は、ハーモニー重視の第1部、テンポアップして掛け合いをさせる第2部、第3部は一旦テンポを落として、またテンポプリモ。
繰り返す3連符が全体を印象的にノリよく展開させる力を持っている。
第4曲は、ブルース、変則的なリズムの移行は少し難しそう。
間には如何にもブルースといったメロディーが口笛で歌われる。
詩を書いたヒューズは、1902年ミズーリ州に生まれ、1967年に没した、黒人の小説家,詩人,戯曲作家。
最後の第5曲は、朗読劇のドラマのような前半。中盤は、ポリフォニックに各声部が主張して盛り上げていく。
「死」は、止むを得ざる衰えではなく、神の命によって与えられた、歓びに近いもの。
最後の「ありがとう」、無伴奏の静かなフェルマータは実に感動的だ。
この組曲に集中し、よく歌い込んで、練習をこなしてきた事が判るし、恐らく指揮の斎藤令の指導によって、多様な詩の理解にも努め、変化の多い大曲に高い完成度を示してくれたと思う。
アンコールの1曲目は、モーツァルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』。
ラストは、この日にちなんで、童謡『七夕さま』(詩 権藤花代/作曲 下総皖一)を、客席と一緒に歌う。
聴きに来ているのはコーラスの経験者等も多いのだろう、回りから素晴らしく朗々とした声がたくさん聴こえてくる。
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