■順序は相前後して
●「せっぱつまる」の話が終わりにならないうちに、
別のことを書く。（結局は、つながる話ではあるが・・）
「せっぱつまる」は「暗がりの弁当」の話になり、そして
「立ち往生」の話になるはずであるが、続きは、また書く。
というのは、順序は相前後するが、「私とは何か」という話だ。
（これも、私がもらった書き込みに起因する）
もとはと言えば、柳田國男『涕泣史談』の<しぐさ>の話や
現代の「子殺し・親殺し」、山田太一の『生きる哀しみ』に
通じる話で、これは前にも書いたことで、現在の「過酷な状況」と
若者、そして、「大人」の問題・責任と、私にとっては一連の
こととして映ってくる事柄のことである。
妻は、４日に着ていく「黒い服」のことで余念がない。
いまも、私のところに来て、「これ、どーお？」と
袖のところがチュールになっているブラウスと長めの
スカートを着てみて、私の感想を聞く。
私も方も、胃の調子がまぁいいので、これなら４日は
参列できそうである。
「うーん。いいんじゃないかナー」
と返事すると、妻は衣装のぶらさがった自分の部屋に行き
私は、（妻の公認のもと）きょう二本目の日記を書いている。
●「
時代とは人々の連なりのこと」というコミュティを開設し、
赤塚行雄「
人文学のプロレゴーメナ」というトピックを立てたのは
この事柄にも関係している。
<「下田歌子伝」の困難>というのが、その本の第二部の�気�
収められていて、その中に、＜書かれたもの＞と＜話されたもの＞
ことが書かれている。
これは、次の柳田國男の文章に接続するものをもっている。
「言語を表現の唯一手段であるかの如く、言いもし又
時々は考えようともして居る。是は学問の悲しむべき
化石状態であって、新たに国の針路を決しなければ
ならない当代に於いては、殊に深く反省してみるべき
惰性又は因習であるかと、わたしなどは考えて居る」
「言語以外の表現方法は、総括して之を<しぐさ>又は
挙動と謂って居るが、或は此語では狭きに失して、
<泣く>までは含まぬような感じである」
「今日は言葉というものの力を、一般に過信している。
それというのは書いたものが、余り幅をきかせるから
と思う。文章はすべて言葉ばかりから成立ち、日本は
又朗読法などということを、まるで考えに入れない国で
あるから、書いたものだけに依って世の中を知ろうとすると、
結局音声や<しぐさ>のどれ位重要であるかを、心づく
機会などはないのである」
「以前国民の唯一の教育機関として、昔と後の世との連絡に
任じていた故老は、別に何等かの積極的な特徴を具えて
居た。記憶力も欠くべからざるものであるが、それよりも
大切なのは観察の無私であったこと、其上に過去というもの
の神秘性を感じる人で、父祖の活き方考え方に対する
敬虔なる態度を認め、その感じたものを自分も亦、次の
代の人に伝えずに居れぬ心持を抱いている者――日本の
田舎では、そういう人が元は若干居た。概していうと
やや無口な、相手の人柄を見定めないと、うかうかとは
しゃべるまいとする様な人に是が多かった」
●この柳田の引用は、内村剛介が引用し、これを福地幸造が書きとめ、
その福地が書いた「本」から私は引用している。
おそらく、私は若い人よりは早く死ぬだろうと思う。
年取った人には、この柳田國男の「ことば」を、そして
若い人には、赤塚行雄の「人文学とは何か」に書かれている
「ことば」を読んでほしくて、
トピックに（引用01）から
（引用01）までを書いた。
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