●8月27日(木) 曇り
曇っていたけど、最後まで雨は降らず
蒸し暑いような、涼しいような曇りの天気で今日は暮れ、
持って行った傘をまた持ち帰り、
椿谷公園の脇を通って、静かに、つくつく法師を聞きながら
帰ってきた。
●きょうは四夜目、井上陽水の「
特別番組」を観た。
おもしろかった。
六十を過ぎてどうして、あんなに艶っぽいのか
と思う。
●「どこかに辿り着きたい僕と、どこにも辿りつきたくない陽水」という
小田和正のコメントが印象に残ったが、陽水のそのような考え方には、若い頃、
いっしょに麻雀をやった色川武大の人生感が大きく影響してるところがある。
たとえば、麻雀仲間でテーブルを囲んでいたとき、色川が例のナルコレプシーで
自分の番になっても眠っていて起きない。「色川さん、色川さん、色川さんの
番ですよ」って声をかけたら、目が覚めたのかどうか、横にあった、
ちょうど届いたばかりの店屋物の寿司を握り、パイがわりに、それをひょいと
ジャン卓に出したという。
そして、本当にパイと寿司を間違えたのか、その虚実の境が面白い、と陽水は
話していた。
●また、沢木耕太郎が「ワカンナイ」が生まれた経緯を話していた。
陽水が沢木のところに電話をかけてきて、「宮沢賢治の雨ニモマケズって
どんな詩だった?」と訊いたそうで、それで賢治の詩集か何かを取り出してきて
詩を電話口で読み上げたそうだ。
すると、陽水はところどころで「ちょっと待って」と言って、その詩の意味を
考えている風で、「自分ノコトヲ勘定ニイレズ、って凄いことだよね」などと
言ったりしたという。
そして出来たのが
この歌だった。
ログインしてコメントを確認・投稿する