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2006年02月25日02:33

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●寄り道ついで (60)/■「教養」と「漢字」 (1)

■漢字の威力

 ・加藤徹「漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか」(光文社新書)
  を読み始めた。


  アルファベットもその起源では、絵文字であったという話を
  読んだことがある。たとえば、Aは角の生えた牛の顔を逆さに
  したものだとか。ぼんやりとしか覚えていないが、確かに
  アルファベットは、楔形(くさびがた)文字のような純記号性の
  文字より、具象的な形からつくられた「山」「川」「月」と
  いった漢字と同じような痕跡をどこかにとどめているように思う。


  しかし、今日、西洋で用いられているこのラテン文字(アルファ
  ベット)は表音文字であり、子音や母音、そしてサイレント
  (黙字)を表し発音を示す記号(文字)である。日本語の仮名も
  表音文字であり、日本語の発音を示したものである。

  (ただし、日本の「かな」は「発音記号」ではなく、
   音節ごとの発音を示す「音節文字」であり、たとえば
   「te」は「て」となり、一文字で表記される)


 ・「ことば」は生きものだから、時間とともに変化する。話される
  「ことば」は音が変わる。音が変われば、表音文字では綴りが
  変わる。「てふてふ」が「ちょうちょ」に化けるように、
  100年も経ったら、音はかなり変化し、1000年も経ったら
  「外国語」になったくらい変わるらしい。



 ・だから、イギリスやアメリカでは「古文」という授業はないそうだ。
  「アルファベットでしか書けない西洋語は、文字が発音の変化を
  忠実に反映しすぎて、(しかも)綴りが百年単位で変動し」、
  8世紀の英語の叙事詩「ベーオウフル」などは、もはや一般の
  欧米人では音読さえできないそうだ。(もちろん、意味も
  わからない)



 ・この点、幸か不幸か「古文」のある日本では、かなで書いてあれば
  音は若干変化していても音読可能だし、意味もなんとなく
  伝わってくるようなところもある。


 ・では、「古文」といっても漢字で書かれた「古文」、「漢文」は
  どうか。漢字自身が意味をもっているので、音とは独立して
  書かれた文字から1000年経っても意味を伝えることができる。

  漢民族が漢字をもっていたおかげで、広大な中国の国土と異民族
  の支配が可能となり、朝鮮・ベトナム・日本といった漢字文化圏では、
  筆談が可能だった。   (つづく)


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