■塩野七生「ギリシア人の物語�掘／靴靴�力」2017年12月新潮社刊
塩野七生の読者になったのは、今から30年前、偶々手に取った、
「コンスタンティノープルの陥落」からだった。
それから、「ロードス島攻防記」、「レパントの海戦」を読んで虜に
なり、「海の都の物語 ヴィネツイァ共和国の一千年」から、「わが友
マキアヴェッリ」、「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」を
読み進めた。
そうこうするうちに、「ローマ人の物語」が始まり、毎年一巻ずつ全15巻
を15年にかけて、読んだ。
「十字軍物語」や、「ローマ亡き後の地中海世界」を経て、いよいよ
「ギリシア人の物語」三巻で、歴史エッセイは、終わりとのこと。
考えてみれば、1937年生まれの塩野七生さんは、もう80歳を超えておられる
ので、むべなるかな。
いやぁ、私の会社員人生と、伴走のように読んでこられたのに、感謝。
さてさて、本書でしたですね。
惹句を紹介しますね。
“塩野七生 最後の歴史長編は「永遠の青春」アレクサンダー大王を描く圧倒的巨編！”
“混迷のギリシア世界を弱冠二十歳で統一し、ペルシア帝国制覇へと向かった
マケドニア王アレクサンダー。トルコ、中東、中央アジアを次々と征服し
、ついにはインドに至るまでの大帝国を築きあげるも三十二歳で夭逝――。”
“夢見るように生き、燃え尽きるように死んだ若き天才、その烈しい生涯に肉薄
した歴史大作。”
“考えてほしい。なぜ、彼だけが後の人々から、「大王」（The Great）と呼ばれる
ようになったのか。なぜ、キリスト教の聖人の名でもないのに、今でもキリスト
教徒の親は子に、アレクサンドロス（英語ならばアレクサンダー、イタリア語ならば
アレッサンドロ、略称ならばアレックス）という名をつける人が絶えないのか。”
“その理由はただ単に、広大な地域の征服者であったからか。それとも、他にも、
愛する息子にこの名を与えるに充分な、理由があるのか。なぜアレクサンドロスは、
二千三百年が過ぎた今でも、こうも人々から愛されつづけているのか、と。 ”
塩野七生さんが、歴史エッセイの掉尾に、なぜ、アレクサンドロスを選んだのか、
読めば納得します。
80歳を超えても、筆がしなるほどの、とても素敵な若者だったのですね(^^♪
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