■現場の話は聞かない
●どちらかといえば、私自身は、けさも入った朝風呂のことで、
首筋の後ろのほうに温かい湯をかけてやると大きな欠伸(あくび)が
出て、それから首の力を抜き、重たい頭を自然の重力にまかせて
だら〜んと垂れ下がった状態にすると、とても気持ちがよいとか、
また、
この間から、うとうとすると決まって思い出すことがあり、
そのことが何なのなか、起きているときに思い出そうとすると
ど忘れして、喉元まで出てきているのに、どうしても言葉に
ならない事柄のこと、
など、そのような、つまらないように思えることの方が身近で
重要な問題のように感じるのではあるのだけれど、
テレビを見ていて、ときには、社会に向かって何か言うという
ようなことではないけれど、自分のことを振り返るように
そのことについて思うことがある。
●「シンドラー・エレベーター」の件もそのひとつだ。
マンション管理人を辞めたし、現役でもないから、現場の人が
やるべきことで、私は自分の経験の範囲内で自分のことを思い出す
だけであるが、メーカーの製造物責任や、管理会社やメンテナンス
会社の管理責任のことは話になっているけど、ここのマンション
管理人の話は聞かないナーと思う。
もともと、ここにはマンション管理人はいないのかもしれない。
だから、「シンドラー・エレベーター」がどうのこうのと
いう問題ではないのかもしれない。
私の思うのは、「シンドラー・エレベーター」そのものではなく、
その事件を見ていて、私が思い出すこと、ただ、それだけの話
ということだ。
●ただ、遠くから見ていると、「現場の話は聞かない」という
感じが、経験から強くする、ということだ。
どんなに耐久テストをやろうが、また、あらゆるケースを想定して
組まれたプログラムであろうが、できあがったものは、それは
「製品」にしかすぎない。
また、定期点検を月1回から週1回、さらに1日1回に増やした
としても、点検項目はすべて「異常なし」になるだろう。
でも、事故はおきるし、現に起きている。
●前のマンションでも、エレベーターではないが、エントランスの
自動開閉のドアが何回か事故を起こした。
勝手に開いたり、閉まるのが途中で止まったり・・。
管理会社の公社に電話した。メーカーの系列会社にも電話した。
そのときの公社や系列会社の対応がどうであったか、それも
それぞれ事情や都合があったのだろう。
人身事故は起きてはいない。
●高層マンションでは、ときどき、飛び降り自殺がある。
私のマンションの南隣のマンションで夜中に飛び降り自殺が
あった。
私はそのマンションでも、4、5日実習をさせてもらったので
そのときの話を、そこのマンション管理人から聞いた。
ずどーん、と地響きがしたらしい。警察が来ていろいろ調べて
すべてが終わった後、夜が明ける前に、血のりがついたコンクリートの
地面を洗った、という。
●そして、現場でも、管理意識が強くなればなるだけ、分業意識も
強くなって、「それは私の責任範囲外だ」という感じ方が生じる。
現場に立ち会っている人間もいなくなり、現場の話はいよいよ
聞かれなくなる。
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