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2006年04月20日16:59

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●身辺雑記(2)/■「評決」

■「評決」

 ●きょうは風が強い。
  窓から見える中公園の桜は、ほとんど咲き終わり
  それでも、全体がえび茶がかった中に白い花びらが
  あちこちと枝先に残っている。

  枝が風に吹かれて大きくゆれる。



  外に出ようか、出まいか
  しているうちに、コタツでうとうと眠る。
  春の薄ら寒い昼日中
  だらしないようで、「春眠暁を覚えず」とは
  また一味違った春のうたたね。



 ●目覚めてTVを観る。

  ポール・ニューマンの「評決」をやっていた。
  もう何回か観ているが、いい映画は
  何度観てもいい。

  途中からだったが、そのまま観る。
  横になって座布団を枕に、コタツの中から
  観る。



  いよいよ大詰め、
  敗色濃いなか、彼はしばらくの沈黙の後
  用意した原稿をくしゃくゃとまるめ、
  すべてをあきらめたように席を立つ。

  「最終弁論」で
  12人の陪審員の前に立ち
  彼はやおら語りかける。

  これが最後の語りかけ
  これが最後の主張
  もうあとには何んにも残らない。



 ●ゆっくりと語りかける。
  ポール・ニューマンの
  もう怒りともきれた静かな
  せつせつとしながら、おごそかにも聞こえる
  弁論が始まる。


  私は耳をすます。
  画面の下に字幕が流れる。
  私の力では聞き取れない英語を
  一生懸命、聞く。

  聞き取れず、字幕を見ると
  すでに次の台詞にかわっている。



 ●この映画をはじめて観て、感動し
  私は原作の小説を読んだ。

  原作には、「謎の女」は登場しなかった。
  原作よりも、よりドラマチックに仕上げられた映画だった。


    世の中に不正が罷り通る
    この世は不正義に満ち溢れている

    私はその「犠牲者」だ

    しかし、そう思った瞬間
    彼は犠牲者となり、敗者となる。


    たしかに
    この世は不正義だらけ
    正義は永遠に訪れないかのようだ

    正義は祈りにも似ている
    祈る?
    そう、祈りだ。

    もし、あなたが正義を願い
    その行われることを望むのであれば
    あなたは、まず実行しなければならない。

    きょう、あなたが法だ。
    法律はほかでもない、それはあなただ。
    正義が行われるか否か、
    それはあなたが決めることだ。


  そんなことを
  ポール・ニューマンはいっていた。


    またしても、
    「丈夫なやっちゃいいごつばっかい」
    のことを思い出した。

    「犠牲者」にならないために
    彼らは「笑い話」を作った。


     唖に歌わせよ
     めくらに道を聞け
     つんぼにこそ道理を乞え

     誰がその何たるかをよく知っているか


 ●原作にないラストシーン

  電話をはさんで
  向こうと、こちら

  呼び出しの 
  ベルが鳴る

  呼び出しのベルを
  聞きながら
  男と女
  向こうと、こちらで
  じっと、じっと
  その音に耐えている


  福田のいう
  「同時に二極を見よ」も
  思い出した。



■映画
  ・「評決」
 

   

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