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2026年08月30日23:33

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「ミニオンズ&モンスターズ」を見て。〜西部開拓史撮影の混乱に乗じて、男児の稚気100パー詰まった黄色の奴らが映画史に爪痕を残したかもしれない噺〜

本作の母体である「怪盗グルー」も含めて、1本もイルミネーションスタジオ製作のCGモデルのアニメーションとは、無縁の鑑賞履歴を歩んで参りましたが。夏休みで、ファミリー等幅広い世代向け作品が多く割拠する中、今まで見向きもしなかった親分がメイン作からスピンオフした本作が、映画史とそれを飾る作品にトリビュートを捧げた赴きと聴いて、貯まっている無料鑑賞のポイント消費を実行した次第。

本編は、ハリウッドにある架空の映画博物館で、連れ歩く見学者に向けての女性ガイドがモニュメントとして据え置かれている2体のミニオンの彫像を前に映画界における「彼ら」の貢献を語るカタチで、この稚気溢れる傍若無人な1.5等身達が、映画に都に現れた作品世界では既成事実のホラ噺が綴られる趣向。

それこそ、地球創生の頃からこの世に出現していたミニオンズ達は、最凶最悪のボス(監督さんが、自ら適当な外国語や擬音を予め用意して、ブースに籠って1日2時間の録音を何日も掛けたと聴くと苦労が偲ばれます。努力の甲斐あって、理解不可の独自言語が流れる中。唯一、聞き取れるのが「ビッグ・ボス」の単語)を求めて、海を超えて時代も超えて、それっぽそうな人物に勝手にくっ付いて、影に日向に悪事の手伝いをするのだけど。見込んだ「器」でなかったり、本物のワルであっても稚気だけのワキマエ知らずの彼らに尽くし倒されて。ボスを求めて、限りない旅が続いていた。

そこで、ゆらゆらと彼らが行きついたのはアメリカ中部の荒野。追っ手である多くのシェリフ達の馬郡を引き離そうと、こちらも馬に跨る一匹オオカミの悪党ガンマンが、タマに後方に威嚇射撃を放ちつつ逃走する場面に遭遇。尽くすべきボスが見つかったと、多数の黄色の小生物郡が、シェリフの頭上や駅馬車の幌にみっしり乗っかって背後から迫ってくるものだから、強盗でなくとも、迫りくる得体の知れないモノ達にビビらない訳がない。馬から、命からがら前方を行く蒸気鉄道の客車に飛び乗るも。ボスの窮地を救えと小生物群も次々と飛び移って、映像は、横移動で捉えながら、客車の屋根から屋根へのチェイスシーンが出来上がる。

先頭の機関車にミニオン達が到達すると、中の数匹の興味は薪をくべれば更に増すスピードに移って。駅の停止線を突き破って現れるのは、ハリウッドの大通り。人や車が優雅に行き交うところに、突如走り込んできた暴走機関車に大パニック。あわや歩行者に接触寸前のところを、客車に乗ったその他の小生物達か体重をかけて、ウイリー走行で回避して。

そこまで、何回か繰り返された「ボス探し」の定番の件が、雪だるま式に展開して。追う者の純真さが、追われる側には恐怖に写る感情の裏腹具合が、危機的状況をより煽る。見晴らし良い西部の荒野の景色から開かれたハリウッドの街に切り替わるスピード感に、実写ではあり得ないスラップスティックな危機回避描写。その間の、キャラクターの動かし方や、背景や列車とかの描き込み具合に、カットの切り替え等、最近ほとんど見てこなかったハリウッド製のCGグラフィックアニメーションの水も漏らさぬ完成度の高さと迫力を目の当たりにして、メジャー作の力技を認めざるを得ませんでした。

暴走機関車が、大破の末止まった先には映画カメラが据えられていて。そう、ミニオン達がボス探しの途中で留まる事になるのは、ハリウッドの映画スタジオで。強盗を追っかけてカメラに納められた一部始終に、スタジオ経営者は「お金の匂い」を嗅ぎ取って、無邪気さだけの予測の付かない行動をする彼らは、チャップリン、ロイドそしてキートンとサイレント時代のスターを超える(各人の代表作の名場面の裏には、ミニオンたちが居たというシークエンスも、映画史への献辞となっている。)寵児となって、ビバリーヒルズに大邸宅を構える、「成り上がり」となるのだが。

まもなく、ハリウッドでは、1920年代のトーキー導入で、喋る音が聞こえる映画の時代が到来する。撮影現場で、カンペを用意したところで、普通に喋れない彼らは、それまでの厚遇が取り上げられる手のひら返しでお払い箱となって、以前のノラ生活に戻る。ここで、黄色の生物群は、少数とその他大勢に分裂して。兼ねてから、他の者に絵を描いて「物語」を伝えて楽しませるのを喜びとするジェームズと、彼とウマが合うヘンリーの二人(展開上、「名前」があるのだ。あと、カメラマン役がくっ付いていたけど、名は覚えてない)は、スタジオの雇われ監督のマックスにも可愛がられていたのもあって、映画を撮る事への執着が捨てられず。その他の元々の気質「最凶最悪のボス」に忠実な奴らとは、袂を分かつ。

初心に帰るべく、ジェームズはかねてから温めていた「怪物映画」を実現すべく、聖林にたどり着く前に手に入れていたバケモノを召喚する魔術の本を使う。方や、その他の連中は、ブリキの被り物をして異星人を名乗る、頭がイッてしまった男にも捉えられるドードに出会って、例のアプローチを仕掛けるも、悪党臭よりも、善人小市民臭の方が強く漂っていて、逆に彼らが煙に巻かれていたりして。

冒頭に手てくるギリシャ神話の一つ目の大男サイクロプス(多分、レイ・ハリーハウゼンによるストップモーション特撮作品「シンドバッド 七回目の航海」に掛けているのでしょう)や、ハリウッドで彼らが採用された際の甲冑姿を見ると、近々公開される、ユニバーサル映画期待作、ノーラン巨匠のあの新作も意識されているのかと、アテ外れの推測もしたりして。他にも、古典作品のもじり場面とか、実在の映画製作成功者を生身展示品として特別出演扱いしたりとか、「くすぐり」が用意されているのだけど。でも、大筋である、ミニオンと映画史のカラミが、トーキー出現のあたりでプッっと途絶える中盤あたりで、「失速感」が拭えず。

暴走機関車が、ハリウッドへ突っ込むシュチュエーションで盛り上がったから、ポイント消費のモトは取れましたが。「くすぐり」対象も、最近の作品ではないから、子供を連れてきた親御さんがカバーするにも、判らないものも多かったりするかも。

ドートーのキャラも、1920年代にはナカナカ、日が当たらない風変り者に見えるも、普通に人間の男外見の同居人とアパート生活を送りつつ。向かいの部屋のおばさんには、心遣いの品を贈る人付き合いの良さを見せて、社交的なのか潜伏生活が行き届いているのか何方にも取られて。そうこうしていると地球侵略は、女性参政権運動家デビーと知り合ったがために、恋の喜び謳歌を優先させて、ミニオン達のボス尽くしの調子を崩させる。掴み処の無さを、もう少し掘り下げて展開に繋げてほしかったけれど。それだと主役が立たないから、取り合えず、クライマックス仕立てましたって感じで。

私は、それなりに得るものあったけれど、周囲のライトなお客さんの席から作品に喰いついている空気は感じず。鮮度では、D社のシリーズとは良い勝負ではあるけれど。それに、移り変わりでは、我国では上がり調子の国産キャラ作品とので分が悪いうえ、前掲の2作が、お話のうえでも「反響」を呼んでいるのに対して、この鑑賞後の手応えでは水をあけられるばかり。

大分、シュチュエーション描写で字数を喰ってしまったので、触れる余裕が無くなりましたが。地方では、この手の大手ファミリー向けCGアニメーションは、日本語吹き替え版の一択でありますが。英語発声版のキャストと日本語版のキャストを比較すると、思う処もあったりしますが。英語版の方々にとっての出演というのは、お小遣い稼ぎみたいなものなのかとも想像したりして。本筋とは関係ない、スケッチ的瞬間描写に母体作品でのボスのグルーも、チラッと顔みせするのだけど。似た声の吹き替えじゃなく、わざわざ笑福亭鶴瓶さんが充てていて。役への愛着の現れと取って良いのでしょうか。

そうそう、過去にD社のCGアニメを見たときも、劇中の新聞の見出しとか、看板が日本語表記に差し替えられていて。こちらも、そういう過剰な「親切」が行き届いていましたが。オープニングタイトルで、日本語キャストがローマ字表記されていて。一瞬、同じ名前表記の別の現地の方かと、受け取ってしまいそうでした。

拙文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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