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2024年02月03日21:37

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【音楽】 樫本大進&ル・サージュ2024 ~シューマンとブラームス

今日は「樫本大進&ル・サージュ2024」と題する演奏会に行った。
プログラムは次のとおりである。

 ・ブラームス:ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」
 ・ディートリヒ、シューマン、ブラームス:F.A.E.ソナタ
 ・クララ・シューマン:3つのロマンス
 ・シューマン:ヴァイオリンソナタ第2番

   ヴァイオリン:樫本大進/ピアノ:エリック・ル・サージュ
   会場:横浜みなとみらいホール (14:00 開演)

シューマン&ブラームス全曲ヴァイオリンソナタ・チクルスのVol.2で、ちょうど1年前にVol.1があった。その時は、シューマンの第1番と第3番、ブラームスの第2番と第3番のソナタが演奏されたので、今日は残りの曲である。さらにプラスアルファの演目もある。

室内楽の演奏会だが会場は大ホールで、しかもほぼ満席に近い。今日はブラームスの第1番とシューマンの第2番という、それぞれの一番人気(と思われる)ソナタが演奏される。まずはブラームスの「雨の歌」から始まる。今日は天気は快晴だが「雨の歌」。すっと柔らかい入りで、この美しい曲が始まった。ピアノはやや控え目な印象で、主役はヴァイオリンという感じで進んでいく。特別なことをするわけでもなく、演奏は淡々と進んでいくが、それゆえにブラームスのこの曲の味わいがストレートに伝わってくるようだった。

続いては、「F.A.E.ソナタ」である。シューマンの作った2つの楽章は、第3番として聴いたし、ブラームスの作った楽章も単独では聴いたことがあるが、4つの楽章を通して聴くのは初めてだ。ディートリヒの作った楽章は、聴くこと自体が初めてかもしれない。そのディートリヒ楽章から始まるが、なかなか溌剌としていていい感じだ。この曲を献呈されたヨアヒムは、各楽章が誰の作かを全て当てたというが、たしかにシューマンの楽章、ブラームスの楽章は、聴いていてもなんとなくそれっぽいなと、私でも感じる。この曲はやはりシューマン作の第2楽章が絶品だと思う。3人の合作ではあっても、通して聴くとまとまっているように聞こえるのは、それぞれF、A、Eの3つの音をうまく絡めていることもあるのだろう。

休憩のあとは、クララ・シューマンの「3つのロマンス」だ。ロマンスといっても甘ったるい曲ではなく、上品で優しい感じがするのは、クララらしいといえるだろうか。第2曲などは、ちょっと揺れ動く心のようにも聞こえた。愛する夫のロベルトがいるのに、若いヨハネスにも惹かれて、ということではないと思うが...。あまり聴く機会がない曲だが、今日はじっくりと聴くことが出来てよかった。

最後は、メインプログラムのシューマンの第2番だ。4楽章構成の、充実した中身の濃い曲である。ロマン派ヴァイオリンソナタこれに極まりという感じである。美しい第3楽章と、それを受けて疾走する第4楽章あたりが特に好きなのだが、それも含めてじっくりと最後まで堪能することが出来た。

最後にアンコール演奏があった。弾き始めるとこれまた素敵な曲、シューマンの「3つのロマンス」より第2曲である。プログラムの中で演奏されたのはクララの方だが、アンコールはロベルトの方だ。どちらかというと、ロベルト作の方が個人的には「ロマンス」というイメージが強いかもしれない。

これでこのチクルスも終わりだが、昨年と今年と、シューマンとブラームスを十分に堪能できた演奏会であった。
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