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2023年11月18日21:37

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【音楽】 神奈川フィルハーモニー管弦楽団演奏会@横浜みなとみらい

今日は横浜みなとみらいに行った。神奈川フィルハーモニー管弦楽団の演奏会である。
プログラムは次のとおりである。

 ・プライス:アメリカにおけるエチオピアの影
 ・コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲
 ・ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

   指揮:シーヨン・ソン/ヴァイオリン:辻彩奈
   会場:横浜みなとみらいホール (14:00 開演)

今日のプログラムは「アメリカ」がテーマであるが、1曲目は全く初めて聴く曲である。そもそも作曲家のフローレンス・プライス自体が初めてである。解説文によると、アフリカ系アメリカ人女性として国際的評価を受けた最初の作曲家ということである。ただ、黒人女性の作曲家ということでいろいろあり、多くの作品が出版されないままだったが、近年再評価されているという。知らなかった。どんな曲か楽しみである。

「アメリカにおけるエチオピアの影」は13分ほどの演奏時間で、3つの楽章が切れ目なく演奏される。この作品は、奴隷としてアメリカに連れてこられ、忍従と信仰を経て、生来の衝動と後天的な衝動が融合する、というストーリーになっているという。ゆったりとした序奏に始まり、暗い雰囲気の曲かと思ったら、急に弾けて盛り上がる。まるで映画音楽のような曲というのか、やはりアメリカだなという感じである。情景が目に浮かぶような、表情豊かな作品だと感じた。最後は賑やかに締めくくり、前向きに明るく行こうという曲なのであった。これは聴いて良かった。フローレンス・プライスの作品をもっと聴いてみたいと思う。

続いては、ヴァイオリニストの辻彩奈が登場して、コルンゴルトの協奏曲である。冒頭から惹きつけるようなメロディーは、さすが映画音楽でならした作曲家である。実際この曲には、映画音楽で使用した旋律が随所に盛り込まれている。辻彩菜のヴァイオリンもなかなか雄弁で、オーケストラともども素晴らしい。コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は、聴いていて幸福な気分になるような、ただひたすら素敵な音楽に耳を傾けるという、至高の時間をくれる作品で、実に心地よい25分であった。

このあと、ヴァイオリン独奏によるアンコール演奏があった。全く知らない曲だったが、休憩時に、スコット・ウィラーの「アイソレーション・ラグ」であると知る。アメリカの作曲家には、まだまだ疎い自分であった。

休憩のあとはドヴォルザークの「新世界より」だ。超有名曲であり、おそらく生で聴いた交響曲の中でも最も回数が多いのではないかと思うが、何度聴いても飽きない曲である。ゆったりとした序奏で始まると思ったら、いきなり爆発するような感じで、メリハリの大きいドラマチックな第1楽章であった。第2楽章のイングリッシュホルンによる有名なメロディーは、これまたいかにも郷愁のメロディーという感じであった。やや速めのテンポの快速第3楽章を経て、切れ目なく第4楽章に突入。ここは盛大に盛り上げて、演奏を終えた。ただ1回だけ鳴るシンバルはかなり控え目な感じだった。何度となく聴いている「新世界より」だが、決して退屈させることのない素晴らしい演奏だったと思う。演奏が終わっても数秒間は指揮者は棒をおろさず、その間の静寂のあと、指揮者が棒をおろしてから盛大な拍手。こういう余韻まで浸れる演奏は久しぶりかもしれない。

未知の作曲家と作品に出会えたことも、よく知っている作品にも退屈することなく楽しめたことも、どちらも良かった演奏会であった。

神奈川フィルの演奏会は、演奏会終了後はステージ上の楽団員が全員客席に向かって一礼し、客が会場を出る時も楽団員がみんなそこに並んで見送る。こういうところもいいなと思う。
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