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2023年11月03日23:44

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みちのく いとしい仏たち

龍谷ミュージアムで開催中。

東北の仏像に興味を持ったのは、テレビで鉈彫りの素朴な像を見て興味を惹かれたからです。京都や奈良の都の仏像にはない、素朴な信仰が現れた姿をしているようで。
それから東北の仏像に関する本を探して色々な仏像があるのを知り、いつか東北へ仏像巡りに行けたらと思っていたのですが、なかなか果たせず。
とりあえず戊辰150年で会津に行ったので、福島県の仏像は見てきました。

さて、先日BSプレミアムで東北の仏像の番組がありました。岩手県の美術館で東北の素朴な仏像群がまとめて展示される展覧会があるらしい。岩手なんか行けな〜い。見たいー。

と、思ったら龍谷ミュージアムでやるではありませんか。やった!!!

想像以上に素朴かつ独特の仏像がずらっと並んでいて、仏像の概念が崩されるようでした。
まず土地の山神様の像があって、そういった地元の信仰と混ざった仏像が生まれ…。それはカミなのかホトケなのか。
唯一の石像、山神像は三頭身。ちょこんと小さな手にまさかりと剣を持ち、プリミティブアートのようです。
儀軌なんかどうでもいい、これがこの土地の人の求めるカミ、ホトケなのだと言っているようです。
細めた目にやや口角の上がった素朴な笑みは、展示のキャプションでは、生きるつらさを嘆く人に「いいんだあ、いっぺ泣いでいけ」と語るようだと。

また、十王像が人気でたくさん作られたそうです。
閻魔様を中心に、地獄で罪人を裁くこわ〜い軍団…のはずが、小さいかわいらしい像ばかり。朝日庵地蔵堂の十王たちに至っては しょぼくれた顔、口を開けて大笑いしている顔、丸い目にひょうきんな顔、など地元のおじさんたちが寄合をして談笑をしているようです。
三頭川集落の十王像の現地の様子を映した写真がありましたが、みんな赤や紫のカラフルな花柄の頭巾をかぶせられています。「なんじゃこれ〜」な衝撃的な絵面ですが、土地の人たちが大事にしている様子が伝わってきます。

また、青森県に右衛門四良(えもんしろう)という大工がいて、本業の傍ら請われるままに仏像を作っていたそうな。その数はたいそうなもので、ここでもたくさん展示されています。仏師ではない、彫刻家としては素人の右衛門があえて熟達を拒否して心のままに彫り出したかのような、小さな素朴な仏たち。

円空仏が一体ありました。これらの仏像群を見てきた目には、円空仏は洗練されて見えます。

そして子安観音が二体。そのうちの一体は観音と言いながら光背もなく髪形も二つに分けた下げ髪で子供を抱いていて、若い母親を表しているようです。子どもの死亡率が高かった時代、子供の成長を願ってか、あるいはわが子を亡くした母親の悲しみを癒すために作られたのか…。

やっぱり東北に行きたいな。あちこち回るのは大変なので、とりあえず岩手県がいいかな。

最後に、龍谷ミュージアムにはベゼクリク千仏洞の復元があります。気分はすっかり東北なんですが、ベゼクリクを素通りはできません。なんか、最初の頃より壁画っぽいリアルな感じに近づいているような。何か変えた?
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