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2023年07月31日00:14

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「おいしいミュシャ」展

堺市にあるアルフォンス・ミュシャ館。なんで堺にこんなものが?と思っていました。なので目玉になる作品をいくつか確保して街おこししようとした、レベルじゃないかと思っていました。
ところが見ごたえがあってビックリでした。
企画展も力の入ったものをやってきたようです。

さて、今回は「味覚」とそして五感を通じて「あじわう」をテーマにした企画展。
まずはお酒、チョコレート、歯磨きなどミュシャと同時代の広告ポスターが展示されます。
そして、ミュシャが手掛けた高級シャンパン「モエ・エ・シャンドン」のポスターや絵葉書。
「トラピスティーヌ」のリキュール。
レストランのメニューの装飾。
そしてテーブルコーディネート。(これは撮影可)
食器のデザイン案もあります。
パリにあったチョコレート専門店「ショコラ・マッソン」の販促カレンダー。
ビスケット缶のラベルの絵と、缶の実物。この缶の実物だけは他のコレクションから借りてきたもの。
とても素敵なビスケット缶で、今でもこの図柄でビスケットを販売すればいいのに、と思いました。

ミュシャが当時の大女優、サラ・ベルナールのポスターを手掛けて人気を博していたのは有名ですが、「サラ・ベルナールを讃える日」が企画され会食が行われたことがあります。その時のメニューと記念冊子が展示されていました。どこかのレストランでその時の料理が再現されているらしいです。

それから香水のポスター。
そして四つの花のポスター。これらにはいずれもその花をイメージした香りが作られました。絵のそばで香りをかぐことができます。

音も「あじわう」。
サラ・ベルナールの「ロレンザッチオ」のポスターと、劇中曲の楽譜、そしてそれを演奏した音が流れています。
そして「ハーモニー」と題された、横長の大きな油彩。幻想的な風景に、これはのちの「スラブ叙事詩」につながるのかと思います。

本当にミュシャの絵は華麗で装飾が見事です。しかも描写が卓越しています。
先日中之島美術館で「ミュシャとロートレック」を見ましたが、ミュシャの絵を目の当たりにすると、どんどんハマっていくような感覚になります。

これらの展示をほとんど館蔵品でまかなっているのは素晴らしいですね。
おかげでミュシャのすべてがわかる、という館蔵品紹介の図録まで買ってしまいました。

この収蔵品はもともとは「カメラのドイ」の創業者、土居君雄氏が集めたもの。土居氏はミュシャに傾倒し、チェコの親族と親交を深めて体系的に作品を収集しました。初期から晩年に至るまでのミュシャの創作活動を知ることのできる、世界でも類を見ない立派なコレクションだそうな。…知らなかった。
土居氏の死後、コレクションは堺市に寄贈され、アルフォンス・ミュシャ館として開館しました。

で、そのコレクションがかなり膨大なもののようで、企画展を次から次へと開催しても作品に困らないようです。企画自体も面白いものが多いようです。

これからは企画展があったらもっと行きたいなと思いました。
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