The Banshees of Inisherin
7.5/10
マーティン・マクドナー監督脚本
コリン・ファレル ブレンダン・グリーソン ケリー・コンドン
バリー・コーガン
1923年アイルランド。本土では内戦が起こっているが、イニシェリン島は平和だった。
パードリック(コリン・フィレル)は友人コルム(ブレンダン・グリーソン)に絶交を宣言される。
コルムは無駄に友人とダラダラすごすのではなく、何かを死ぬまでに残したいという思いだった。
昔のようにハブで仲良く友人とやりたいパードリック(犬でも観ている気になる)と意志の固いコルム。
パードリックの友人への思いが強すぎて陰惨な結果を生んでしまう。
牧歌的なアイルランドの風景の中、死を知らせる聖霊が出現し、絶望的な状況になっていく。
マーティン・マクドナーの映画は一見楽しそうなのだけれど、死を意識させずにはいられない。
マーティン・マクドナーとコリン・ファレルは「ヒットマンズ・レクイエム」
「セブン・サイコパス』
でも組んで独自の世界を編み出していたし、ブレンダン・グリーソンも
「ヒットマンズ・レクイエム」で二人と組んでいるので、なんとなく長い友人
のような気がしてくるからキャスティングが上手いし、もともと二人の演技について
なにもいうことはない。
本作もとてもオリジナリティの高い名作になっている。
またバリー・コーガンがいい。
「ベルファスト71」「聖なる鹿殺し」「ダンケルク」とかなんだか不吉な感じを醸し出してきた
俳優が、本作はがらっと父親に暴力をふるわれる頭の弱い青年を演じていて、毒気が一
切なくなっていて、コーガンの演技の幅を感じた。
ログインしてコメントを確認・投稿する