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2022年09月03日08:57

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月の見える部屋

青春は密である。
僕はこのパンデミックっていうやつは、スペイン風邪とか過去の世界的なパンデミックに擬えて３年くらい・・・まあ、長くても４年くらいで終息するんだろうなあ・・・とタカをくくって考えていた。
まあ、科学的な根拠はなくアナロジーなんだけどね

それでも考えてみれば、僕くらいの年齢の３、４年っていうのと青春期の３、４年っていうのは全く意味合いが違うんだよね。

これ実に簡単な算数で証明できる。
（蛇足ながらフェルマーの最終定理に挑んでた僕にとって数学も青春なんだけどね

）

すなわち・・・

3÷18＞3÷55

だから正直言って須江監督の言葉にハッとした！

そんなわけで僕の青春時代を振り返る

僕の青春にスポーツの記憶はあんまりないんだけど、音楽、アート、映画、天文学、写真、文学なんてやつはぎっしり濃縮してつまっている

そんな中で、芸術の話・・・
僕の街にある宮城県美術館っていうのはちょっと癖のあるコレクション（？）を収蔵しており、ドイツ表現主義、ブリュッケ、青騎士、ロシア構成主義・・・といった感じで、およそ日本人に人気のある印象派とかはほとんどなかった

そんな中でワシリー・カンデンスキー、パウル・クレー、即ち、バウハウス関連の作品は日本あるいは世界有数だと思う。
そんなわけで僕もバウハウス関連を夢中になって勉強するのであるが・・・

これがさっぱりわからねー

それでもカンデンスキーとかの絵画はなんとなく筆致の変遷とかを辿ると理解できるのだが・・・モホリ・ナギの写真がさっぱりわからん(￣ー￣)

というのも・・・僕はずっと小さい子供の頃から写真をやっていていたのだ。なので割と多くの写真集に子供の頃から親しんでいた。
このバウハウスの写真はいったい・・・
アンリ・カルティエ・ブレッソン、ロベール・ドアノー、木村伊兵衛なんかのスナップとも違うし・・・沢田教一やロバート・キャパみたいな報道写真とも違う・・・

こりゃいったいなんなんだ(￣ー￣)？

それでも高い写真集なのだからと、我慢して繰り返し眺めていた。
（これを僕は当時「好きになる努力」と称していたのだが・・・例えば今みたいに音楽をサブスクダウンロードなんて時代でもないから、例えばLPレコードとかCDでも何か１枚買ったら好きになるまで繰り返し聞いたのだ

）
例えば、名盤１００選ぶとかあると・・・特にその上位なんかは死ぬほど聞いた

例えば、ビーチボーイズのペット・サウンドなんかはさっぱりわからず・・・それでもどの本を読んでも必ず上位にあるし・・・きっと良さがわからないのは、自分の耳が未熟なのだ・・・悪いのは俺だ！・・・聞きたくもないけど今日も聞くか(￣ー￣)・・
とずっとヘビーローテーションで聞いた。

何か月か目である瞬間、ハッとその良さに気づくことになる。
これはどういうことか？というと耳馴染みになったのだ

つまりペットサウンズというのはもうメロディの洪水で、構成も入り組んでいてわかりずらいのだ。
一言でいうと「密」なのだ

この点、密ながら交通整理されたクイーンのボヘミアン・ラプソディとは違う・・・

そんなこんなで、モホリ・ナギもある瞬間にハッとわかった

これは全てを等価に捉える絶対平等の視点なのだ！！

花も人も建築も自然も或いは罅や劣化も・・・

僕は完全に開眼した。

高校２年の夏の事だった。

そのころ僕は音楽スタジオでアルバイトをしていた。
レコーデイングアシスタントや、セッションをしながら・・・
なんとなくぼうっと・・・将来は音楽に携わる仕事でもやっているんだろうなあなんて考えていた。
実際にその頃の仲間たちはアレンジャーやスタジオミュージションなんかになったやつも多い。
打ち込みの時代に対応できたヤツは今でも生き残っているけど、僕は多分無理だったろうなぁ～。
あの当時も流行りのゲートリバーブとかシーケンサーの無機的な響きがあまり好きではなかった・・・
（もちろん、前述のとおり好きになる努力は欠かさなかったけどな

）

そんな中、ポップコンという音楽コンテストで「さそり座」という中学生が優勝した。
転校というありがちながら思春期の等身大のテーマを美しいメロディとハーモニーで素直に表現する・・・

あれはショックだったなあ

一聴してわかりやすい名曲「窓ガラスのへのへのもへじ」はNHKのみんなのうたでヘビー・ローテーションでかかっていた。

僕はそれから数年間・・・よくわからない密度の高い音楽、密度の高い芸術作品と格闘しながら青春を過ごした・・・

さそり座（SWAY）で
月の見える部屋♪