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2022年07月03日05:12

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風林火山伝 第2部 第12話 「足利義昭死す」

土御門有脩は義昭に対して信長の霊を追い払う祈祷を始めたのであった。義昭は大広間の上座に座り、静かに有脩の祈祷を受けた。するとしばらくして有脩から背後霊が表れた。その背後霊はなんと大蛇であった。その大蛇は義昭にとびかかり、義昭の体に巻き付いたのであった。

すると義昭の顔はだんだん青ざめてきて、とうとう義昭は気を失ってしまった、そして、義昭に取りついていた信長の霊は、母体の義昭の体がもはや仮死状態になっていたため、これ以上とどまることができず、義昭の体から信長の霊が表れたのであった。

信長の霊は、「有脩よ!よくもわしを欺いたな。これは世を義昭の体から世の霊を追い払う祈祷だったとは!わしが義昭の体から抜け出すと義昭は死ぬがよいのか!」と言いながら、有脩に向かってなんと火を吐いたのであった。その火のエネルギーは道三製の油であった。

そして、信長の霊の吐いた火は有脩を直撃し、有脩は気を失い祈祷を中断され、背後霊である大蛇は姿を消したのであった。そして、信長の霊が再び、義昭の体にもどろうとしたとき、なんとその様子を見守っていた明智光秀がとっさに信長の霊に向かって、吹き矢を吹いたのであった。

「きさま、光秀か!よくも世を裏切りよって。是非もなし。」と言い信長の霊は光秀に向かって火を吐いたのであった。

すると光秀は、なんとすかさず大きな鏡を取り出し、信長の吐いた火を跳ね返したのであった。
「信長様。これは今まで私目をこけにして頂きました仕返し並びに、比叡山焼き討ちに対する仏罰でございます。この世のためにも成仏してくださいませ。」と信長の霊に言った。

「残念だが、光秀よ、世はまだ成仏できぬ。世は義昭の体を借りて、生き続けたいが、
見事に義昭の体はお主が跳ね返した火のせいで、義昭の体は丸焦げになり、もはや使いものにならぬ。一旦は、世はお主の前から消えるが、おそらく他のものにのりうつり、再びお主の前に現れるであろう。その時は容赦はせぬぞ。世を成仏させたいのであれば、世の遺骨を探し出し、世の弔いをすることだ。世の遺骨はどこに隠されているが、遺骨のありかは申すことはできぬ。」と言いながら信長の霊は光秀の前から姿を消したのであった。

その後、義昭の体は丸焦げになり、すでに息はなかった。事実上、第15代将軍 足利義昭はこの世を去ったのであった。果たして、信長の遺骨はどこにあるのであろうか?また、信長の霊の行方はどうなったのであろうか? 義昭亡きあとの足利幕府はどうなるのであろうか?またこの義昭の死は歴史上どのように語られるのであろうか?

                                    つづく



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