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2022年06月08日06:24
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海千山千
もう随分前の話になるんだけど・・・
一枚の写真の僕は衝撃を受けた。
当時まだ若手の旗手といわれてた高木こずえさんという写真家の諏訪の御柱まつりの写真だ。
これが普通の下手くそピンボケ写真ならなんとも思わないんだろうけど・・・なんかある・・・そう感じさせるオーラがある。
諏訪の御柱祭りとは６年に１回の祭りだ。
山の上から大きな木、御柱を山の斜面を滑らせるという勇壮なお祭りで、それは手馴れたプロカメラマンでも緊張するという・・・そりゃ、そうだ。失敗したら次のチャンスは６年後である
よくよく聞くと、高木女子はマニュアルのフィルムカメラで、ここぞという瞬間にピントをずらしているそうだ。
即ち、空気と人と神様、自然が混然一体となってキラりんとした瞬間
・・・そこを撮っているとのこと・・・う〜〜〜む・・・
この感性は僕にはない
同じく女性の写真家で川内倫子さんという人にも同時期にはまっていて・・・
この人もやっぱり女性ならではの感性なんだろうなあ・・・と今更ながら思う
なんていうんだろう？
男である僕は、どうしてもダイナミズムみたいなものを表現したくなってしまう。
インパクトであるとかね・・・高低差、ピントの「山」、コントラスト、二律背反、対比・・・
例えば音楽を作るにしても起承転結をつけたがる。
強いフックから壮大なサビメロとかね・・・
優劣ではないんだけど・・・明らかに女性とは感性が違うんだろうなあとは思う。
そして僕は時に女性の感受性を羨ましいとすら感じる。
青森を舞台にした映画「いとみち」
この作品は横浜聡子さんという女性監督が撮っているんだけど・・・素晴らしい映画だと思う。
ざっくりとストーリーをいうと・・・
おばあさんとお父さん、そして主人公である女子高生の相馬いとのすれ違い、邂逅の物語だ。
主人公いとはおばあさんから三味線を習い高校生でありながら将来を期待される伝統芸能の後継者である。
ところが、なぜかメイド服に憧れて、都会へ出てメイド喫茶で働きだす。
（この場合、いとたちが住んでいる岩木山の麓から見た都会・・・その地方都市というのがまた東京に対して憧れを抱いているという二重構造を持っているというあたりの描写が実に巧み）
お父さんは大学教授であり・・・東京で研究者をやっていて、都落ちではないが青森に数年ぶりにやってきて地方の自然を満喫・・・趣味は山登りだ。
この二人がなかなかかみ合わず・・・二人とも家出
お父さんは山に暫くこもり・・・いとは唯一の友達の家へ・・・
痺れを切らし、下山したお父さんはふと、いとがバイトしているメイド喫茶にゆき・・・
いとに「けっぱれ！」と一言・・・
この瞬間にとてつもない感動が押し寄せる。
そして最後は青森の象徴でも岩木山を二人で上ったとさ・・・
めでたし・・・めでたし・・・と何が面白いか？さっぱりわからないだろうが・・・
この作品は本当に素晴らしい。伝統の在り方、地方都市が抱えている問題、差別、格差等、切実な問題を丁寧に織り込まれている。
だけど、見終わった後は爽やかな気分になれると思う
物語の大筋を話してしまってもこの作品はそんなネタバレごとき、ものともしない価値があると思う。
細やかで些細な機微がこの「いとみち」の真価だと思うのだ
三味線の糸のように細く長く、そして強くどこまでも続いていく。
こういうところが女性クリエーターの凄みなんじゃないかな？
あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは「山に」芝刈りに・・・おばあさんは「川へ」洗濯に・・・と令和の時代に男女の差についていうのもどうか？と思うけど・・・
男っていうのはどうしてもダイナミズム、即ち高みを目指し・・・女性というのはどこまでも遠く、川が流れるように海を目指すもんじゃないかな？
そういえば海は女性名詞、山は男性名詞・・・そんなこと昔習った気もする
同じく女性クリエーターが脚本を書いた「おかえりモネ」でも海と山の関係性を表現してたしな・・・
ニューヨークシティ〜お前は女さ〜アル・クーパー
一枚の写真の僕は衝撃を受けた。
当時まだ若手の旗手といわれてた高木こずえさんという写真家の諏訪の御柱まつりの写真だ。
これが普通の下手くそピンボケ写真ならなんとも思わないんだろうけど・・・なんかある・・・そう感じさせるオーラがある。
諏訪の御柱祭りとは６年に１回の祭りだ。
山の上から大きな木、御柱を山の斜面を滑らせるという勇壮なお祭りで、それは手馴れたプロカメラマンでも緊張するという・・・そりゃ、そうだ。失敗したら次のチャンスは６年後である
よくよく聞くと、高木女子はマニュアルのフィルムカメラで、ここぞという瞬間にピントをずらしているそうだ。
即ち、空気と人と神様、自然が混然一体となってキラりんとした瞬間
・・・そこを撮っているとのこと・・・う〜〜〜む・・・
この感性は僕にはない
同じく女性の写真家で川内倫子さんという人にも同時期にはまっていて・・・
この人もやっぱり女性ならではの感性なんだろうなあ・・・と今更ながら思う
なんていうんだろう？
男である僕は、どうしてもダイナミズムみたいなものを表現したくなってしまう。
インパクトであるとかね・・・高低差、ピントの「山」、コントラスト、二律背反、対比・・・
例えば音楽を作るにしても起承転結をつけたがる。
強いフックから壮大なサビメロとかね・・・
優劣ではないんだけど・・・明らかに女性とは感性が違うんだろうなあとは思う。
そして僕は時に女性の感受性を羨ましいとすら感じる。
青森を舞台にした映画「いとみち」
この作品は横浜聡子さんという女性監督が撮っているんだけど・・・素晴らしい映画だと思う。
ざっくりとストーリーをいうと・・・
おばあさんとお父さん、そして主人公である女子高生の相馬いとのすれ違い、邂逅の物語だ。
主人公いとはおばあさんから三味線を習い高校生でありながら将来を期待される伝統芸能の後継者である。
ところが、なぜかメイド服に憧れて、都会へ出てメイド喫茶で働きだす。
（この場合、いとたちが住んでいる岩木山の麓から見た都会・・・その地方都市というのがまた東京に対して憧れを抱いているという二重構造を持っているというあたりの描写が実に巧み）
お父さんは大学教授であり・・・東京で研究者をやっていて、都落ちではないが青森に数年ぶりにやってきて地方の自然を満喫・・・趣味は山登りだ。
この二人がなかなかかみ合わず・・・二人とも家出
お父さんは山に暫くこもり・・・いとは唯一の友達の家へ・・・
痺れを切らし、下山したお父さんはふと、いとがバイトしているメイド喫茶にゆき・・・
いとに「けっぱれ！」と一言・・・
この瞬間にとてつもない感動が押し寄せる。
そして最後は青森の象徴でも岩木山を二人で上ったとさ・・・
めでたし・・・めでたし・・・と何が面白いか？さっぱりわからないだろうが・・・
この作品は本当に素晴らしい。伝統の在り方、地方都市が抱えている問題、差別、格差等、切実な問題を丁寧に織り込まれている。
だけど、見終わった後は爽やかな気分になれると思う
物語の大筋を話してしまってもこの作品はそんなネタバレごとき、ものともしない価値があると思う。
細やかで些細な機微がこの「いとみち」の真価だと思うのだ
三味線の糸のように細く長く、そして強くどこまでも続いていく。
こういうところが女性クリエーターの凄みなんじゃないかな？
あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは「山に」芝刈りに・・・おばあさんは「川へ」洗濯に・・・と令和の時代に男女の差についていうのもどうか？と思うけど・・・
男っていうのはどうしてもダイナミズム、即ち高みを目指し・・・女性というのはどこまでも遠く、川が流れるように海を目指すもんじゃないかな？
そういえば海は女性名詞、山は男性名詞・・・そんなこと昔習った気もする
同じく女性クリエーターが脚本を書いた「おかえりモネ」でも海と山の関係性を表現してたしな・・・
ニューヨークシティ〜お前は女さ〜アル・クーパー
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