mixiユーザー(id:28703480)
2021年12月06日05:47
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プラスチック・エイジ
スタンリー・キューブリックの話・・・
キューブリックというのは映画監督であり、有名なところでは「２００１年宇宙の旅」であるとか「シャイニング」あるいは「フルメタル・ジャケット」「時計仕掛けのオレンジ」なんかが代表作という事になるのだろう・・・
僕が初めて「２００１年宇宙の旅」を見たのは小学生の頃（多分、金曜ロードショーかなんか・・）だったのだけど・・・あまりにストーリーが難解過ぎてよくわからなかったというのが、本音なのだけど・・・僕が小中学校時代流行っていたスター・ウォーズやスター・トレックといった類のSF、あるいは子供の頃から馴染み深かった円谷特撮と根本的に質感が違うと思った
それまでのSFっていう奴は・・・
こうである・・・ジュラルミンやアルミのむき出し感・・・つまり金属、機械的な未来・・・つまりギラギラとしたシルバーな世界だったのだ。
（実はUFOがシルバーな円盤型で流線形のような曲線であるというのはこの時代からずっと貫かれている・・・）
これには理由があって、当時の考証では流線形というのは大気圏では空気抵抗を低減し、かつむき出しの金属感というのは、塗料の重量も大気圏脱出の邪魔になると考えられていたからだ。
ところが、キューブリックの提示したものは圧倒的にマットで均質的なプラスチックのような質感だった。
２００１年が発表された１９６９年以降の宇宙開発を見ればわかるのだが・・・キューブリックの方が正解だった。
宇宙ロケットは有害な宇宙線から機体を守るために白く塗装された。
また、０グラビティの中で動くために金属やメカ等はプラスチックのようなものに代替された。
今から５2年前にアポロ１１号が月面着陸に成功した。
そのフィルムはNASAがキューブリックに依頼して捏造された・・・なんて噂が２１世紀になっても未だに信じ込まれている
（キューブリックの2001年宇宙の旅が1969年なので、ちょうどアポロ11号の月面着陸と同じ年なのだ）
曰く、その当時はアメリカはベトナム戦争でそれどころではなかったはずだ・・・であるとかアメリカがそれだけの科学技術があってなぜ、スプートニクショックを受けてソ連に戦争を仕掛けないであるとか・・・或いはベトナム戦争にだって勝てただろうに・・・なぜ、そんな偉業を達成しながらその後、何十年も宇宙に行かないのか？であるとか・・・まあ、懐疑派の言い分にももっともらしい部分も多々ある・・・
それに関していちいち論証するのも恰もワクチン懐疑派と議論するように不毛なので割愛する・・・ただ、それくらいキューブリックのセンス・オブ・ワンダーが凄かったというのだけは確かだ
まあ、実際の2001年には全然キューブリックの世界にはならなかった。例えば、パンナムは倒産し、コンピュータの覇者はIBMではなかったし（HAL9000はIBMのアルファベットそれぞれ一文字前）・・・ましてやGAFAなんでものの台頭は誰も予想出来なかった・・と、まあ大筋で間違ってたが、ニュアンスやディテールが圧倒的にリアルだったというべきか🤣
実際に今、我々を取り囲むものを見て欲しい。圧倒的にプラスチッキーな質感に取り囲まれているだろう・・・
２００１年宇宙の旅の小道具として使われたハミルトン社の時計だ（実物はちょっと違うが・・・）そう、デジタル時計というのが普及するのは１９６９年公開の「２００１年宇宙の旅」がきっかけである。
バリー・リンドンという映画がある。
そこでキューブリックはカール・ツァイス社のF０．７０という驚異的に明るいレンズを使った（フランジバックはなんと４ｍｍ！！）
このプラナー世界に１０本しかなく、うち７本はNASAが月の裏側を使用するのに使われ、３本はキューブリックがバリー・リンドンの夜のシーンを蝋燭の灯りだけで撮るためだけに使用された！！（しかもこのシーンのためにキューブリックは高輝度の蝋燭まで作らせている）
お分かりだろう・・・宇宙開発史とキューブリックの映像開拓史は密接にリンクしているのだ
まあ、実はNASAの映像捏造説が出てくるのは、この辺りに根があるんだけど・・・
というわけで現代では１本何千万というキューブリック・プラナー無しでもコンデジで簡単に撮れてしまう
また、2001年宇宙の旅にこんなシーンがある。
宇宙船の中でボールペンが無重力遊泳するシーンだ
このシーンだけのためにキューブリックは反射率０、透明度１００％のクリスタルガラスを研磨させている。
全く箆棒な話ではあるが・・・今、コロナ禍にあってふと見渡すと、世界はこの透明なアクリルあるいはビニールに仕切られている。
これだっていずれは無くなるのだろうから・・・今のうちに映像として残しておくべきであろう・・・あるいはアフター・コロナに備え、そのリサイクル方法を考えておくべきだ。
ウォーホールが提示した大量消費社会ではたち行かないのが21世紀の常識だ。
僕が黒という色に惹かれるのはもしかするとキューブリック映画の深淵な宇宙空間から来るのかもしれないな
さて、最後に・・・
震災から１０年である。
この福島原発をチエルノブイリあるいは広島原爆ドームのように残すのか？
或いは周辺を立ち入り禁止としてタルコフスキーの映画ストーカーのゾーンのように残すのか？今がちょうど岐路のように感じる。
我々は今後、プラスチック・エイジ、ニュークリア・エイジにどう落とし前をつけていくのか？
そしてキューブリックがこの地を見たらどういう映像表現をするのか？
気になるところだ。
キューブリックというのは映画監督であり、有名なところでは「２００１年宇宙の旅」であるとか「シャイニング」あるいは「フルメタル・ジャケット」「時計仕掛けのオレンジ」なんかが代表作という事になるのだろう・・・
僕が初めて「２００１年宇宙の旅」を見たのは小学生の頃（多分、金曜ロードショーかなんか・・）だったのだけど・・・あまりにストーリーが難解過ぎてよくわからなかったというのが、本音なのだけど・・・僕が小中学校時代流行っていたスター・ウォーズやスター・トレックといった類のSF、あるいは子供の頃から馴染み深かった円谷特撮と根本的に質感が違うと思った
それまでのSFっていう奴は・・・
こうである・・・ジュラルミンやアルミのむき出し感・・・つまり金属、機械的な未来・・・つまりギラギラとしたシルバーな世界だったのだ。
（実はUFOがシルバーな円盤型で流線形のような曲線であるというのはこの時代からずっと貫かれている・・・）
これには理由があって、当時の考証では流線形というのは大気圏では空気抵抗を低減し、かつむき出しの金属感というのは、塗料の重量も大気圏脱出の邪魔になると考えられていたからだ。
ところが、キューブリックの提示したものは圧倒的にマットで均質的なプラスチックのような質感だった。
２００１年が発表された１９６９年以降の宇宙開発を見ればわかるのだが・・・キューブリックの方が正解だった。
宇宙ロケットは有害な宇宙線から機体を守るために白く塗装された。
また、０グラビティの中で動くために金属やメカ等はプラスチックのようなものに代替された。
今から５2年前にアポロ１１号が月面着陸に成功した。
そのフィルムはNASAがキューブリックに依頼して捏造された・・・なんて噂が２１世紀になっても未だに信じ込まれている
（キューブリックの2001年宇宙の旅が1969年なので、ちょうどアポロ11号の月面着陸と同じ年なのだ
）
曰く、その当時はアメリカはベトナム戦争でそれどころではなかったはずだ・・・であるとかアメリカがそれだけの科学技術があってなぜ、スプートニクショックを受けてソ連に戦争を仕掛けないであるとか・・・或いはベトナム戦争にだって勝てただろうに・・・なぜ、そんな偉業を達成しながらその後、何十年も宇宙に行かないのか？であるとか・・・まあ、懐疑派の言い分にももっともらしい部分も多々ある・・・
それに関していちいち論証するのも恰もワクチン懐疑派と議論するように不毛なので割愛する・・・ただ、それくらいキューブリックのセンス・オブ・ワンダーが凄かったというのだけは確かだ
まあ、実際の2001年には全然キューブリックの世界にはならなかった。例えば、パンナムは倒産し、コンピュータの覇者はIBMではなかったし（HAL9000はIBMのアルファベットそれぞれ一文字前）・・・ましてやGAFAなんでものの台頭は誰も予想出来なかった・・と、まあ大筋で間違ってたが、ニュアンスやディテールが圧倒的にリアルだったというべきか🤣
実際に今、我々を取り囲むものを見て欲しい。圧倒的にプラスチッキーな質感に取り囲まれているだろう・・・
２００１年宇宙の旅の小道具として使われたハミルトン社の時計だ（実物はちょっと違うが・・・）そう、デジタル時計というのが普及するのは１９６９年公開の「２００１年宇宙の旅」がきっかけである。
バリー・リンドンという映画がある。
そこでキューブリックはカール・ツァイス社のF０．７０という驚異的に明るいレンズを使った（フランジバックはなんと４ｍｍ！！）
このプラナー世界に１０本しかなく、うち７本はNASAが月の裏側を使用するのに使われ、３本はキューブリックがバリー・リンドンの夜のシーンを蝋燭の灯りだけで撮るためだけに使用された！！（しかもこのシーンのためにキューブリックは高輝度の蝋燭まで作らせている）
お分かりだろう・・・宇宙開発史とキューブリックの映像開拓史は密接にリンクしているのだ
まあ、実はNASAの映像捏造説が出てくるのは、この辺りに根があるんだけど・・・
というわけで現代では１本何千万というキューブリック・プラナー無しでもコンデジで簡単に撮れてしまう
また、2001年宇宙の旅にこんなシーンがある。
宇宙船の中でボールペンが無重力遊泳するシーンだ
このシーンだけのためにキューブリックは反射率０、透明度１００％のクリスタルガラスを研磨させている。
全く箆棒な話ではあるが・・・今、コロナ禍にあってふと見渡すと、世界はこの透明なアクリルあるいはビニールに仕切られている。
これだっていずれは無くなるのだろうから・・・今のうちに映像として残しておくべきであろう・・・あるいはアフター・コロナに備え、そのリサイクル方法を考えておくべきだ。
ウォーホールが提示した大量消費社会ではたち行かないのが21世紀の常識だ。
僕が黒という色に惹かれるのはもしかするとキューブリック映画の深淵な宇宙空間から来るのかもしれないな
さて、最後に・・・
震災から１０年である。
この福島原発をチエルノブイリあるいは広島原爆ドームのように残すのか？
或いは周辺を立ち入り禁止としてタルコフスキーの映画ストーカーのゾーンのように残すのか？今がちょうど岐路のように感じる。
我々は今後、プラスチック・エイジ、ニュークリア・エイジにどう落とし前をつけていくのか？
そしてキューブリックがこの地を見たらどういう映像表現をするのか？
気になるところだ。
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