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2021年06月27日20:21

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【音楽】 アウローラ管弦楽団演奏会 @すみだトリフォニー

今日の関東地方は終日激しい雨という予報は外れ、どんよりと曇っているものの、雨は降らなかった。そんな天気とは関係ないが、今日はコンサートに行った。ロシア音楽を演奏しているアマチュア・オーケストラ「アウローラ管弦楽団」の演奏会である。もともと5月1日の予定だったが、緊急事態宣言とやらでホールが使用中止になり、改めて今日行うことになったものである。(緊急事態ではダメで、マンボウならいいのね。) 毎回ご招待いただいている演奏会である。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・リムスキー=コルサコフ:交響曲第2番「アンタール」 (交響組曲「アンタール」)
 ・チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」

   指揮:米津俊広
   会場:すみだトリフォニーホール (13:30 開演)

リムスキー=コルサコフとチャイコフスキーの交響曲だが、選曲は渋い。リムスキー=コルサコフの交響組曲といえば「シェエラザード」が有名だが、「アンタール」の方はいまひとつ人気がないのか演奏機会が多いとは思えないが、聴いてみると「シェエラザード」に劣らず魅力的な作品なのである。生で聴くのは初めてだ。

6世紀のアラビアの詩人で英雄のアンタールを題材にした作品で、アンタールの見る夢が展開するという曲だが、厭世的な隠遁生活を過ごすアンタールが見た夢は「復讐の喜び」だったり「権力の喜び」だったりと、生々しく俗っぽい。勇ましく激しい曲が、オリエンタルムードを漂わせつつ展開する。しかし、最後に見る夢は「愛の喜び」で、それまでと打って変って、静かに愛を求めつつ、やがて静かに息絶える。分かりやすく聴いていて楽しい曲であり、生で聴くとなおさらである。演奏も素晴らしいもので、リムスキー=コルサコフもこのオーケストラは得意中の得意のようであった。

続いては、チャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」だ。後期3大交響曲に比べるとこちらもやや地味な扱いをされることがあるが、第1番も実に素敵な曲なのだ。アウローラ管弦楽団も、もともとは「チャイコフスキーの冬の日の幻想を演奏したい」ということで結成したオーケストラらしく、第1回演奏会で演奏した曲の再登場という訳だ。

この曲は「冬の日の幻想」という標題にふさわしく、まさに冬のイメージ、それも荒涼たるロシアの冬であるが、それを梅雨どきの夏の日本で聴くのもよいものだ。そんな感じで第3楽章まで進むが、第4楽章もロシア民謡を主題に重々しく始まるかと思いきや、途中で一気に高揚し盛り上がる。実はこの部分が大好きなのである。生で聴くと一層素晴らしい。再び楽章冒頭の重々しさに戻るが、最後はまた盛り上がり、そのまま一気に最後まで進む。このあたり、第4楽章の爆発(?)が生で聴く演奏ならではで、楽しく聴くことが出来た。(途中でグチャグチャになりそうな箇所もあるけど、プログラムの解説によれば「間違っているように聞こえるかもしれませんが、演奏はおそらく合っています」とのことで、チャイコフスキーの若書きゆえの、こなれていないところもあるのだろう。

ロシアの交響曲を2曲、じっくりと堪能できた演奏会であった。最後にアンコールは、チャイコフスキーの「白鳥の湖」から1曲。最後まで楽しい演奏会であった。
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