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2021年05月22日01:33

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「ダークサイドミステリー」聖遺物伝説と古代文書の謎

この間放送された「ダークサイドミステリー」のテーマは

ロンギヌスの槍
聖杯
死海文書

でした。
これらは現代のアニメやゲームでも秘密の武器とか最終兵器とかネタになっているので、それと絡めていたのがおもしろかったです。

ロンギヌスの槍は、キリストの脇腹を突いた槍で、その兵士に血がかかって悪かった目が回復したということで、奇跡を起こす聖遺物とみなされました。
でもこれは聖書には記述がなく、中世に書かれた聖人伝に現れるものです。その聖人伝は、いろいろな言い伝えを集めて、内容を「盛って」書かれたものでした。

聖杯は、ややこしい経緯があります。
聖杯はゲームやアニメの世界では、望むことが何でもかなうとか、選ばれし者だけが手に入れられるとか、不思議な力を持つアイテムとして使われます。
キリストが最後の晩餐に使った杯だということで、現在世界の5か所に残っている!!
でもその杯には奇跡の伝説は紐づけられていないのです。

聖杯伝説の出どころはアーサー王伝説です。アーサー王の円卓の騎士たちが聖杯の探索に出かけるのです。そして、その話のルーツは、もともとアーサー王伝説の発祥になったケルトの伝説で、そこでは大釜だったとか。釜とか鍋とか器とか、どんな形があまり具体的なものではなかったそうですが、死者がよみがえるとか傷が治るとか、奇跡の力を持つのです。

しかし、中世になってアーサー王とキリスト教が結び付き、円卓の騎士たちが探した聖杯が、キリストの杯だということになっていきました。

それで納得がいきました。
私は聖杯伝説の聖杯が、アーサー王だったりキリストの杯だったり、出どころがあやふやで、どうつながっているのかわからなかったのです。
キリストの聖杯はカリス、円卓の騎士の聖杯はグレイル。名前も別物だったのです。
それが結び付いたのも、中世に書かれた本。
しかも、最後の晩餐に使われただけではなく、キリストが十字架につけられた時にその血を受けたという伝説まで付け加えられます。

聖遺物や聖人の物語は、内容が盛られて本に書かれ、それがだんだん広がっていく…。
重要なのは、それが真実かどうかではない。当時の人たちが何を求めていたか、当時の人の思いを知ることです。
番組では、「二次創作は昔からあった」という結論に至ります。なにしろ、何かネタがあればキャラクターが作られ、物語が作られ、さらには商業戦略までからんで広がっていくのです。まさに現代のサブカルと一緒!

例えば、さびれた修道院では何か聖遺物を求め、それもドラマチックな奇跡がついているものを求められました。そういった聖遺物があると、巡礼や信者がどんどん訪れるのです。
そういえば、昔は修道院同士で聖遺物の争奪戦がありましたもんね…。

死海文書は現代に発見されたものだからそんなにトンデモなことは…と思ったら。
まずは文書の解読が、最初は順調だったのに、途中からスピードダウンしてしまったことです。これで、バチカンが内容を検閲して、都合の悪いものは隠蔽・廃棄しているという
ウワサが広まりました。また、最終予言が書かれているとかなんとか。
しかし、文書の解読は徐々に進み、今では一通り完了しました。確かに何十年もかかりましたからね。途中からは細かい断片が多く、それをつなぎ合わせて内容を解読するのに時間がかかったのです。
さらに、バチカンでは最近は文書の公開に積極的だそうです。
隠すとかえって「「何かあるんだろう」と憶測が広がります。憶測が生まれると、それに尾ひれがついていく。

人は退屈な真実よりも、面白いウソを求めるものですね。
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