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2020年07月25日01:56

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「フランス絵画の精華」

美術館へ行くのも久しぶり〜♪

天王寺の大阪市立美術館です。天王寺公園も久しぶりですが、有料から無料になって柵がなくなり、美術館へ行く通路も簡単で行きやすくなっていました。

17世紀の「大様式」と名付けられた古典主義から、18世紀のロココ、19世紀の新古典主義、ロマン主義を経て印象は誕生前夜まで。
17世紀の大様式の中にはジョルジュ・ド・ラ・トゥール、プッサンといった有名な画家もいますが、あまり有名な絵はなくほとんど見たことがないものです。風景の中に人物を配したものが多く、神話の人物から風俗画までいろいろな題材と風景が融合していて、古典様式の安定した描写力もあって風景の中に引き込まれるような絵が多かったです。

ロココはヴァトー、ブーシェといった有名な画家の絵もありますが、それ以外の絵も多かったです。肖像画、神話、聖書、風俗画など題材も多岐にわたっています。ほどのいい描写のきれいな絵が多いのがロココらしいです。私が目に留まった絵で「ファンションの目覚め」(二コラ=ベルナール・レピシエ)があります。屋根裏部屋に住む女中がベッドに座って身支度している様子が描かれています。ベッドの周辺にはほうきや桶などがあり、衣服が散らかっていたりするのですが、なぜか上品な絵に見えるのです。これがロココの美意識なのかと思いました。

さらに代表的な画家にビジェ・ルブランがいます。マリー・アントワネットお気に入りの画家で「ベルサイユのばら」にも出てきます。評判通りやわらかなタッチで優雅な女性の肖像画を描いています。今回のポスターにもなっている優美な女性はポリニャック公爵夫人。(「ベルサイユのばら」では伯爵夫人ですがのちに公爵夫人になりました)。グッズもいろいろ出ていましたが、「ポリニャック夫人」というだけであまり好感が持てないのは「ベルサイユのばら」が身に沁みついているわけで…。でも「ベルばら」の中でもポリニャック夫人は優雅で気品のある女性で、そのためマリー・アントワネットはいっぺんに信用してしまったと書かれていますので、確かにこの肖像画を見ると納得はできます。

さて19世紀になって新古典主義になります。この時期特に人気が高かったのがアングルです。アングルにはたくさんの弟子がいたそうですが、あまり有名な人は出ませんでした。その弟子たちの作品からいくつか。
ロマン主義に入ってジェリコー、ドラクロワ。
ということで、そろそろ印象派が登場するころですが、印象派が出てきたころは画壇はアカデミズム全盛。そのためのちに「印象派」とくくられる画家たちはアカデミーに出品しても落選ばかり。ではそのアカデミズム全盛の絵はどうだったのか、のちに印象派の評価が高くなったためあまり顧みられなくなりました。そういった画家からカバネルとブグローの絵が数点。確かにきれいで技術も高く、表面は大様式と比較しても遜色がないような絵に見えるのですが、なぜか表面だけきれいで空虚に見えるのです。時代に合わなくなるとはこういうことか。
この時代の最後にマネの絵が一点。

それからヴァトーのデッサン集。

どの絵も素敵で、いい絵をたくさん見た満足感に満たされました。私はこのあたりの時代の絵が好きなのかと自分で思いました。印象派は取り立てて好きなわけではないし、古典的な絵のほうがいいのかな。
なので図録が欲しい…と思ったのですが、あまりにもゴツくて分厚くて重くて高い。しかもハードカバー。最近の美術展の図録はどんどんゴツく高くなっていきます。邪魔になるのでいつも買わないのですが、今回は悩みました。でもあまりにもゴツいのであきらめました。もうちょっと気軽に買えるようにならないものでしょうか。
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