mixiユーザー(id:9160185)

2020年04月12日03:53

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幕間


雨は朝の
鼻先を齧るように降り
街路は
沈黙をまくし立てる
眠りは寸断され
あるはずのない世界で
地図をなくしたような気分
暗闇がよく見えて
することのない時が滴っている
ふと
脳裏をよぎるのは
大昔に行われたという
実験の話
実験体に目隠しをさせて
針で軽く突き
「いま君を刺した」と告げる
水を床に落として
「ほら、血が流れている」と吹かすと
水音を聞くうちに本当に死んでしまったというような
寝床は気まずくなる
目を閉じてはみるものの
屋根に落ちる雨が妙な含みを持っている気がする
ちょっと頭をかく
人間のことなんて
誰にも分からないのだ

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