mixiユーザー(id:9160185)

2020年04月09日22:39

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吸血鬼は棺の中で


剃刀はチープな覚醒、洗面所のアスピリンは、労働環境に不平を垂れてる、蛇口は知らん顔で、捻られた分だけの水量を吐き出し続ける、流れた血液のうねりだけで知る時間、闇雲な宛先不明の呪詛、憂鬱と恍惚を同時に刻んだ鏡像、経文のように流れ続けるデスメタル、祈りは傷む方が、純粋は滑稽な方が、信仰の在り方はいつだって変わらないさ、指先が震え始めたら止め時、二度死にかけて得た教訓、サーバーの上で沸騰してしまったコーヒー、泡を見つめ続けてしまう、やめられないのはまぼろしが楽しいから、バスルームは墓場のにおいがする、自発的な埋葬、観念的な死の先にある能動の終点、だけどいつも先に延びる線路が見える、限界は降りてしまった場所のことを指す、時刻表はきっと塗り潰されているだろう、天使を描き殴る悪戯、最下層の天国、梯子なんか降りてこない、終焉がもしも幸福なら、それで差し支えない、そうだね?暴力的な単調、それは様々な地獄に適用出来得る解答、或いは概念、ゼロの得点パネルが、捲られてまたゼロを出す、「このゲームは死んでいる」と、審判が誰にも聞こえないように嘆くフィールド、太陽は真上にあるのに、ここに光が降りてこないのはなぜ、心は嘘に根を生やす、そこから吸い上げる養分がなにかなんて、もはや説明するまでもない、壁と同じ模様の腕、それが同調だというのなら、きっとそうなのだろう、滴る夜、デスメタルは流れ続けている、血が再び満たされるまでの、冷えた体温だけが安らぎ、脳味噌の内側で、真っ白い明滅が繰り返される、分水嶺の子守歌、命が氷を飲み込んでいる、生まれたばかりで、凍えていた時間に焦がれている、何を見た、人工呼吸器の中で喘ぎながら、概念の存在しない脳裏で、接続されたヴィジョン、何を見たんだ、目覚める前の記憶が、開いた目を縛り付ける、それはおそらく、魂に植えつけられた呪縛だ、描かれる前の形状を、地図を睨んで探している、でもどうすれば見つけられる?それは感覚すら定まっていないころの拾得物だ、それは認識されるべくもない、命だけが記憶している、魂だけが記憶している、どうすればそれを取り出せる、裂傷は正解じゃない、それはそうさ、でもそれはたぶん、流血のならわしなんだ、血を掘り起こせ、それを掻き分けろ、なぜ気づけない、デスメタルは流れ続けている、破壊を構築するイメージ、それは構築されている、そうだろ?概念のひとつだ、概念のひとつなんだ、細胞が入れ替わる、血管が満たされる、傷口が塞がれる、死と再生の模倣に死と再生はない、ヒントにすらならない、衝動に負けてしまうだけ、水が流れ続ける、蛇口がひどく滑る、だから…混沌は静寂になる、濡れた洗面台は悔恨を閉じ込める、果てしなく果てしなく、排水口を滑り降りていく血、赤黒く内壁に張りつく生命の名残、パイプは瘡蓋で溢れている、脳下垂体のギャングが叫んでいる、いつだってそれは聞き取れない、殺意はいつだってここに満ちているんだよ、目隠しをしなさい、気配だけですべてを悟ることが出来たら、きっとそれに越したことはない、じわじわと、じわじわと、じわじわと…真っ赤な天蓋は必ず、真っ赤な天蓋は必ず降りてくるから、冷たさと生温さの両方を携えて、子守歌を歌いにくるから、眠って、眠って、夢も見ないくらいに深い眠りの中を、目覚めたときに最初に生まれる言葉がきっと道標だから、繰り返して、忘れないように、呪詛のように、経文のように、是か非かなんて語るべきじゃない、手にした糸の先を手繰り続ける事、言葉を繰り返して、忘れないためには、目に見えるところに出すしか方法がない、それは概念としては死に違いないが、新たな概念を生む道具にはなる、生まれ続けるなら、生まれ続けなければ意味がない、死に続けるのなら、死に続けなければ意味がないんだ、埋葬と出産は、至る所で繰り返されているだろう、意味を求めろ、それはそこにあるかないかじゃない、それを求めるかどうかなんだ、それが血をもっと赤いものにする、命を濃いものにするんだ、そうすれば血を感じることが出来る、血が欲しいんだ、血を求めろ、鏡像が咆哮する、それはきっと現実じゃない、まだなにも回復してはいないもの、水を止めたいのだけれど…


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