mixiユーザー(id:55664038)

2020年01月13日22:21

55 view

詩 『ただそれだけのこと』

夢破れ 路傍で寂しく口ずさんでも
夜の黒よりも濃く コンビニの灯りに吐息がへばりつく
歌は歌 言葉は言葉だけでしかなく
息は白く 夜に溶ける
ただそれだけのこと。


切れかけた外灯は途切れるように点滅
歩調は合わず、不協和音の足音だけが響き
不規則という名の無常に涙がアスファルトに落ちる
ただ当てども無く 消えては見え 見えては消え
ただそれだけのこと


夜は明け 朝は沈み 黒に染め上がり
天空の回転は止まらず 堂々巡り
行く当てすら見えない存在が穴を穿たれた天夜の下で蠢く
光に怯え、隠れ潜むことを慰みのそれはいつまでも 見えない道の上を
ただそれだけのこと


重く、辛く、慄く
離すことも出来ず、持つことすら出来ず
隠れ潜む心に向き合えず、それでも諦め悪く彷徨い歩く
朝を求めて彷徨う愚か人達は今宵もいまだ
ただそれだけのこと


ただそれだけ ただそれだけ
朝は夕に、夕は夜に、そして夜は朝に
周回する世界の中で誰もが立ち止まる
一部は朝へと進むことが出来る
その不条理に誰もが

誰もが 夜の中で歩きつづける
ただそれだけ 
それだけ 
ああただそれだけのこと



1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する