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2019年11月30日20:32

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詩『例えば明日世界が滅びるとしたら』

きっと僕は一人で過ごすことでしょう。

日の出と共に起きて顔を洗い、歯を丹念に磨いて、近くの河原に立ち、最後の朝日を静かに見上げるのです

そしてひとしきり見上げたあとはイヤホンをつけて好きな音楽を聴きながら歩こうと思います。

河原。橋の下。そこから見える街の景色。

普段は気にも留めない草花をゆっくりと見つめ、水の香りを胸いっぱいに吸い込んで歩くのです。

汗をかき、息が上がるまで、満足するまで。



例えば明日世界が滅びるとしたら。

私はきっとあなたを探すでしょう。

家の中、街中、河原と橋の下

けれどあなたはどこにも居ない。

終局のエンドロールが流れるまではあんなにも近くにいたというのに。

あなたはどこ? それでも私は探す。

たとえ汗をかき、息が上がっても、終わりの終わりまで。

ねえ、あなたはどうして一人を選ぶの?




明日世界が滅ぶのなら、私は一人でここにいる。

それは帳尻を合わせることだ。

最後の一歩を踏みしめるために、私は最後の一歩を始まりと合わせるのだ。

人は何も持たず、裸で一人でこの世に生まれ落ちる。

私はこの世の旅を終えて新たな旅へと向かう。

僅かなしがらみと情、そして少しの旅の思い出を置き出発したい。


孤独で愚かな私の想いは誰にも知られることなく消えていくことに密かな満足感を胸に抱いて私は最後の夜を迎えるのです。










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