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2019年03月03日05:49

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詩『現在スケッチ』

メタリックでゴツゴツとした巨人の足をしたその人は無言で見下ろしながら世界への扉を開いた。

水槽の女は胸をはだけてニコリ笑うけれど戸惑う彼は曖昧に手を振ることしか出来ない。

そんな彼の横を鎖で繋がれた哀れな家畜は一度だけ鳴いて通り過ぎていく。

世界は異質だ。

でもその世界で一番の異質な存在は彼だった。

寄る辺もなく

夜の中空から紛れ込んだ異常者は心細げに椅子に座る。

そして何が間違っているかを考え続けるが答えはとんとして出てくることはない。

それでも彼は世界に魅了され、正常に溶けていく。



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