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2018年10月23日02:30

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福島旅行記(1)岩谷観音

夕方東京から福島へ移動します。
新幹線「やまびこ」で1時間40分。駅弁を調達して乗り込みました。
福島駅に着いたらすっかり暗くなっています。ホテルは駅近くのはずですが、知らないところへ来たら自分がどっちを向いているか、から始めなくてはいけません。結局少し遠回りしてたどり着きました。フロントでチェックインをしていたら、ちょっと東北なまりっぽい会話が聞こえてきました。東北まで来たんだーと実感しました。
部屋にはインスタントコーヒーのセットとノリタケのコーヒーカップがありました。ちょっと優雅な気分になります。お茶もあります、湯呑みには茶托もついています。

翌日は午前に福島市内観光で午後から会津に移動します。
福島市で見たかったのは大蔵寺ですが、この日は午前中はお寺の行事で見学できないとのこと。残念ですが、調べると岩谷観音と言う磨崖仏があるのがわかりました。なのでそちらへ行くことにしました。
駅前からバスに乗ります。どれに乗ったらいいか路線図を前にじーっと考えていると、案内の人が声をかけてくれて教えてくれました。路線案内図もくれました。

岩谷観音は信夫山に彫られた磨崖仏です。バスで岩谷下という停留所で降ります。どっちかなーと思いながらウロウろしていると、「福島市役所 資料展示室 ふれあい歴史館」という看板のある小さい建物がありました。なので声をかけてみました。そうしたら方向を教えてくれて、資料もくれました。
教えてもらった方向に行くと「岩谷観音」の表示がありました。そして…上までずーっと階段!登るしかありません。かなりボコボコで段差も大きくて登りにくいです。久しぶりにサマルカンドのウルグ・ベク・メドレセのミナレットを思い出しました。あれといい勝負かも…。螺旋じゃなくてまっすぐなだけで。登りながら多少の不安もありました。登ったら降りないといけないよね…。
途中で横の方に平たい空間があって小さな仏像が並んでいました。よだれかけをかけられた二体のお地蔵さんで、昭和のある馬主の発願で作られたもの。なので競馬ファンの信仰を集めているとか…。端の方には小さな石塔が並んでいます。こちらは江戸時代から昭和までいろいろ。一つ一つにお供えがあって現地の信仰心を感じます。

さらに階段を上がります。かなりの高さです。ようやく上まで来ました。おお、崖に仏像がいっぱい!
小さな観音堂もあります。人が来て拝んでいきました。鰐口があって太い縄が下がっていて、それをジャラジャラ鳴らします。…これが「鰐口」っていうのを今回初めてちゃんと調べました。私が見てきたお寺ではあまり見かけません。今回福島のお寺を回ったらよく見かけましたが、だいたい扉がぴったり閉められていて、鰐口を鳴らしてお参りするのが一般的なようです。私が見てきたお寺はだいたい仏像目当てに行きますので、扉が開いて中に入って仏様を拝むようになっているので、鰐口を吊るす余地がないのかもしれません。

さて、崖の岩肌には浅く仏龕が彫られてその中に仏像が彫られています。小さい仏像がたくさんあって、磨滅しているものも多いです。蓮の花を持った観音像に立て膝の如意輪観音、お地蔵さんに不動明王…判別はなかなか難しいです。
平安時代に伊賀良目(いがらめ)氏が聖観音をこの崖の洞穴に安置したことから「窟(いわや)観音」と言われたそうです。
その後三十三観音巡礼の信仰がこの地におよび、岩肌に仏像が彫られるようになっていったということです。

磨崖仏を見ながら崖をたどって進んでいきます。そうしたら鐘楼のような建物がありました。そしてそこから下へ降りる順路が示されていました。きれいな階段が整備されています。あの階段を降りなくていいのか!
さらに進んでみると、最近のものと思われる新しいお堂があってお墓がたくさんあります。下へ降りる道はお墓の参道のようです。だったら最初からこっちから登った方がよさそうなものですが、あのボコボコで段差が大きくて急な階段を上がるのが、なにやら大変なことをしてたどりついた感じがするのでそういう効果もあるのではないかと。昔の人の信仰心(今も?)が感じられるような気がしました。

東北では、都の美しいお寺や仏像ではない、土着の信仰を感じさせる仏像に出会えるかもしれない…という期待がいきなりかなえられた気分です。

「旅のクチコミサイトフォートラベル」に全部の写真を載せています。
https://4travel.jp/travelogue/11418337


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