家族やら会社やら共同体やら　2

もしかしたら　我々は
生物としての存在と
我々の脳が生み出した個人や自由という概念との境目に行き着いているのかもしれない

社会制度は
男女同権の名の下に　労働力を確保せんとし
男女の雇用に平等を求め
効率的な消費拡大を意図し
核家族化による　家族という最小共同体を最小限に押しとどめた
労働者は自由意志によって流動し
最適な効率を望む労働市場に吸い上げられる
地域共同体は　邪魔なしがらみであり
会社という利益共同体に潜んでいた擬似共同体は破壊された

もしかしたら　こういった自由主義政策や
教育制度や近代民法は
限界にきている可能性はある

今世界各国で政治的流れとしてある保守化や
イスラム社会の宗教国家への切望や
民族主義的傾向も
こういったことと　全く無関係であるとは言い難い

しかし　民主主義が根本的には
大衆の欲望が牽引する原理である以上
水の流れのような自由への流れを押しとどめることは考えられない
だからこそ　そこかしこで
様々な軋轢が生じている
総論として　何かしらの杭を打ったとしても
各論でそれに賛成する意思は現れないだろう

まさに　見えざる手だ

子供はある程度の歳まで　母親や祖母が協力して育てるのが望ましい
などと言ってみても
じゃあ　今目前にある自由や収入を諦めて
それを他者に強要する法が成立することはありえない
何人　母親が自殺しても
何人　赤ん坊が血の繋がらない父親に何人殺されても
義理の父親に育児参加させようとする流れは変わらないだろう
みんな　自分は道徳的に正しいと思い込み
過去のしがらみを捨て去ることだけが
進歩だと思い込んでいるに違いない

この先　どんな歴史が待っているのか知らないが
そう簡単ではないだろうなと思う