フランス語360万語通過で紹介した「Jean petit marmiton」という本で、お菓子のマドレーヌの由来がネタになっていました。レクチンスキー公爵(ルイ15世の王妃・マリー・レクザンスカの父親)のお城の厨房でトラブルがあり、急遽マドレーヌと言う娘が焼いたお菓子をデザートに出したら、公爵がそれを気に入ってお菓子に「マドレーヌ」という名前を付けたという話。
さて、このお菓子を焼くために、焼き型として使われたのがsaint-jacques。
え?帆立貝?そのまんまやん。
と言いますのは。
Saint-Jacques(サン・ジャック)とは聖ヤコブのことです。フランス語ではこれがそのまま帆立貝という言葉として使われているんですね。
スペイン北部にサンティアゴ・デ・コンポステーラという有名な巡礼地があります。聖ヤコブの墓の上に聖堂が建てられました。「サンティアゴ」とはスペイン語で聖ヤコブのことです。中世からヨーロッパでは一大巡礼地としてたくさんの巡礼者が訪れました。ここへ向かう巡礼の道が整えられ、現在でもこの道を使って巡礼者がサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。
その巡礼の道には帆立貝が目印として使われています。また巡礼路に沿って巡礼者のための宿があり、そこにも帆立貝がつけられています。そして、巡礼者自身も帆立貝を身に着けます。
つまりSaint-Jacques=帆立貝、というわけです。
大文字なら聖人名、小文字なら帆立貝、ということになりますね。
この巡礼路はフランスからピレネーを越えてスペインに入るため、フランスでもよく知られています。「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」はスペイン語ですが、フランスでは「サン・ジャック・ド・コンポステル」と言います。
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