mixiユーザー(id:1940449)

2018年01月27日01:21

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「古代文明と気候大変動」

B_フェイガン

いあー 面白かったw
「気候で読み解く日本の歴史」も面白かったけど
フェイガン先生のはさすがに専門の学者だけあっていいねw

人間は目先の小さな飢餓対策に没頭するあまり
壊滅的な飢餓に対して目を閉じている

そんな警告をあれでもかこれでもかと実証的に繰り出してくる

まー 簡単に言えば
人間は定住し農業を始めることによって
多少の不作には対処できる様になった
しかし定住しているが故に
大変動には壊滅的な打撃を受けることを避けられなくなった
数万年の人類史を見ればこれが明らかである
たかだか近年200年ほどの科学の進歩を過信しすぎだ
ということだ

ポンプとジョウゴという言葉で
古代のヨーロッパにおけるクロマニヨン人の狩猟を表現している
当時のヨーロッパから北アフリカにかけての土地は
頻々と寒暖の気候変動が訪れ
北に広がるツンドラ地帯と
それより南の湿潤な世界の境界線は移動していた
その変化に伴い
寒冷な気候を好むトナカイなどの大型草食獣が季節に応じ
ヨーロッパ大陸を南北に移動する
その移動ルートには渡渉場所や谷筋など漏斗状になった地形があり
そこで待ち伏せて猟をする
もー 家先で食放題w

基本的にこの手法で
群れをなして移動する大型草食獣を捕獲し
気候変動に合わせて住居を移動させ
大型の鹿やマンモスを追いユーラシア大陸を移動してアメリカ大陸にまで及んだ

広い草原で自由に走る獣を倒すには
人間の能力はあまりに低かったが
集団で移動する中の個体なら容易に倒せた
そのおかげで
人口が増え 逆に獲物が少ない場合に飢餓が発生した
仕方なく松の実やピスタチオを食った
その他採集できる木の実を食う

その雑食性を得たことによって
男女の役割分担が発生した
木の実を食えるようにするには
粉末にして水に晒したりする作業が必要になる
その労働を女がやり
男は相変わらず狩りをやった
狩りは獲物さえいれば労働効率がいい
皮を剥いで肉を焼くだけだ
採集物は最低でも数時間の単純作業が必要になる

結局 地球の気候はそんな状態を永遠には続かせなかった
誰かが種を蒔き 農業が始まる
ムギやマメはさほどの苦労なくして食料にできる
狩猟は続けられたが 同時に放牧が始まり
男も農業を行うことになる
うっひょー 楽チンとか思ってた男も
しぶしぶ農作業をすることになるw

しかし 農業は狩猟以上に天候に影響される
移動はしなくて良くなったが
蓄えが尽きれば死ぬしかない
農業の場合 移動してもすぐに収穫ができるわけではない
なので
天候に左右されないように灌漑を行うことになる
灌漑水路を整備し 絶えず補修を行わねばならない
女はちょっと楽になった穀物の加工を行い
男は人類始まって以来の重労働を受け持つことになる
もー この辺りまで来ると
こんなことになるのなら定着しなければよかったと
男は思ったに違いないw

クロマニヨン人は
そのポンプとジョウゴ戦法と同時に
もう一つの重要な発明をした
縫い針と糸だ
この発明によって衣類を作ることができた
布はないので皮を様々に縫い合わせ
防寒具を作ることができた
おかげで雪の上を歩くことも
吹雪の中で眠ることもできた
活動範囲は寒冷地を好む草食獣並みに広がった

しかし いく先々で
結局農業を始めることになる
まー仕方ない
狩りだけでは食えないのだから

ごく原始的な文明の所産である衣服を得ても
人類は結局定着して暮らすしか生き延びる道はなかった

この延長線上に現代社会はある
どんなに延命措置を図っても
壊滅的な気候変動を止めることはできなかった
実際に現在の社会でも
飢えて死ぬ人々は毎年万を下らない
この歴史上稀な気候の元にあってもだ
ますます人類は
大規模な気候変動に対して脆弱化している

ふと 縄文人は知っていたんじゃないかと思った

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