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2017年12月19日00:49

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越前和紙の里

忘年会が行われた福井へ行く前に越前市の越前和紙の里に立ち寄ってきました。
越前和紙は和紙の代表選手。
その歴史は古く、少なくとも室町時代には紙がすかれていたといいます。
和紙の里の一番奥にある大滝神社を目指して歩いていると、「国指定名勝三田村氏庭園」という看板が掲げられている由緒ありげな門がありました。
単なる民家ではなく、和紙の工房でもあるようです。
吸い寄せられるかのようにして門をくぐると、木造の工場から小柄で温厚そうな紳士が出てこられました。
たぶんこの屋敷のご当主と思われます。
名勝に指定された庭園があるのですか?と声をかけると、よかったらごらんになりますかというありがたいリアクション。
ほったらかしの庭にちょうど雪が積もって、ちょうど具合が良いというのです。
で、見せてもらったお庭は池泉鑑賞式。
石組みがなんとも古風で趣があります。
家康の息子である結城秀康がこの里に来たとき、この庭を見ながらお茶を飲んだという記録が残っているのだとか。
今から400年以上昔にはこの庭があったことになります。
「明治維新の頃にはずいぶん苦労しました」
まるで昨日のことのように語られます。
あとでネットで調べると、この紳士はご当主の三田村士郎さん。
三田村家は越前和紙の総元締めとでもいうべき家柄で、大滝神社の前身であると大滝寺の別当職も勤めていたそうです。
こえはえらい人にお会いしたものです。
しかし、庭を前に会話しているときにはそんな自慢めいた話はひとつもされませんでした。
ほんとうの旧家の人は、みだりに自ら家門を誇るようなことはしないものなのでしょう。
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