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2017年12月07日01:47

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映画「リュミエール!」

リュミエールの映画が4Kデジタルで修復され、そのうち108本が選ばれて構成された映画ができたということで、しかも水曜日は割引の日なのでいきなり見に行きました。

リュミエールの映画は「映画100年」の年に上映されたり、以前にBSなどで放送されたので、けっこう知ってるつもりでした。しかし今回は知っているものもありましたが知らないものも多かったです。しかも画面がきれい!サイレント映画と言えば、ザラザラした不鮮明な画面が多いものですが、今回の上映のリュミエール作品はコントラストもはっきりしていて映像がかなりきれいです。そしてナレーションによる解説がついています。フランス語なので日本語字幕が付きます。

リュミエールの作品は多くが約50秒。50秒の間に固定されたカメラから動く映像が見られる、というのは当時の人々を驚かせました。工場の入口、ラ・シオタ駅の列車の到着、赤ん坊の食事、カードゲームなどが有名ですが、一見日常生活を映しているように見えながら、実はどれも演出がなされているのです。テーブルやその上に載っているものの配置も計算されており、しかも登場人物はリュミエール家の家族親戚を動員しています。

特に列車の到着の映像は有名ですが、ホームが斜めに消失点に向かっていき、その奥から列車が向かってくる対角線の構図をなすカメラアングルは、列車などの到着を見せるのに最適なアングルで、もうこれ以上の工夫の仕様がないほど。どの映像もそういったカメラアングルや対象物の配置などの構図が計算されていて、それが完成度が高くてその後の映画はほとんどそのアングルに影響を受けているそうです。

当時のカメラは動きに合わせて動かすことができないため固定された状態で撮影されています。しかし中には乗物に乗って、固定したカメラが周囲の風景の移り変わりをとらえていく映像もありました。

19世紀末〜20世紀初頭の様々な場所が切り取られ、スクリーンによみがえりました。
パリの風景がいいですね〜。エッフェル塔の登るエレベーターでの撮影。だんだん登って行くと万博の時に造られたモンテカルロ宮殿が見える…でも今はシャイヨ宮。
コンコルド広場のオベリスクと噴水の風景は今と変わりません。
ノートルダム寺院が黒っぽい?しかもところどころ装飾のように白い石がはまっている…。ミレニアムでまっしろにされてしまったのは正しかったのか?

世界各地にも出かけていきます。モスクが見えるイスタンブール。…ということは、オスマン・トルコ!
ベネチアの大運河を船にカメラを載せて進んでいき、運河のほとりの建物が移り変わって行きます。
リュミエールはカメラマンを世界中に派遣しましたが、日本に来たのも有名ですね。いくつもの映像が残されていますが、ここでは剣道の試合の風景が選ばれています。

すっかりタイムトリップした気分になりました。

リュミエール兄弟の会社があったリヨンでは、「工場の入口」の撮影現場が最初の「映画通り」になっているそうです。そのほか、この時期にリヨンで撮影された映像はたくさんあるそうです。どこまで面影があるかわかりませんが、リヨンに行ってみたいですねえ。

そして、最初にスクリーンに投影する映画を作った人物の名前が「リュミエール(光)」というのは何の偶然なのでしょうか。

「リュミエール!」公式サイト
http://gaga.ne.jp/lumiere!/
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