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2017年05月03日21:28

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アメリカンヒストリーX

20年ほど前のアメリカ映画

ネオナチに傾倒する兄
その兄を慕い尊敬する弟
消防士だったが消火中に麻薬売人の黒人に殺された父
平凡だが絶望しきっている母
優秀な妹

兄のデレクは人種差別主義者だ
黒人・ヒスパニック・東洋人がアメリカの国庫を食い荒らし
アメリカ人の職を奪い
法も秩序も道徳も全てをなきものにし
好き放題をやっても警察は見て見ぬ振りをし
マスコミは人権を訴え続け
白人の困窮に対し見て見ぬ振りを続けている
黒人の1/3は犯罪者で
メキシコからの蜜入国者はイナゴのように毎日押し寄せてくる
これはもう戦争だ
と 考えている
家族にまで議論を吹きかけ
自分の思想は理論武装され真実である
と 思っている
彼らには年長のネオナチリーダーがいて
青年たちにそう言った話を吹き込んでいる
ユダヤ人もシオニズムもクソッタレだ
fuck youだ
彼は胸に大きなハーケンクロイツの刺青を入れた

ある日 亡き父の車を盗もうとした黒人ギャングの一人を射殺し
もう一人の黒人青年を歩道に食いつかせ
首筋を踏みつけて首の骨を折って殺した
3年の懲役を宣告された

しかし 出所した彼は
穏やかで知的な常識を身につけた男になっていた
以前の仲間や弟は裏切りだと非難するが
彼は弟を連れてネオナチ組織を去る
彼らはネオナチ 黒人ギャング双方の標的となる


あまりにも軽やかな転身が
なんともむなしくやるせない
若き日の熱狂は冷めるのも早い

説得に応じた弟と二人
部屋のナチス関係のポスターを剥がし始める
一枚一枚剥がすごとに
壁が見えてくる
全てを剥がした部屋の壁は
広く
シンプルで清潔ささえある

いたって政治的な映画だ
しかし まー
なんて言いますか
この転身の早さにこそアメリカの根本的な問題があるのではないかとすら思えてくる
殺しただろ あんた
殺さずとも済む相手を殺しただろ
3年でコロッと何事もなかったような涼しい顔して
改心しましたで済むのか?

Amazing Graceという曲がある
スタンダードだからよく耳にする美しいメロディーだ
作詞者は奴隷貿易で財をなした人物で
九死に一生を得てから熱心なクリスチャンになり
聖職を買官した
当時 カトリックの僧職は金で買えた
「あの頃は何も見えなかったが 今は見える」
と 奴隷売買を非難した

Strange Fruitは南部でリンチされた黒人が
木に吊るされ そのまま朽ちていく死体を歌った
ビリー・ホリディが歌い 大ヒットした
高級なジャズクラブで 紳士淑女がワインを片手に彼女を絶賛する

大丈夫か アメリカ
反省するが後悔しないアメリカ

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