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2016年11月24日09:58

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幸運な取り違え

「ノルウェイの森」についてはもう書き尽くしたと思っていたのですが
先の日記のイタリア版のタイトル「TOKYO BLUES」について
友人が、その翻訳者ジョルジョ氏(Giorgio Amitrano)に昨日パーティで会ったということで
その名前をつけた理由を聞いてくれました。
ジョルジョ氏は今、イタリア文化会館の館長でもあるのだそうです。

フォト
(2009年に泊まったリバプールのHarddays night Hotel)

「思ったとおり、編集がつけたタイトルだそうです。
Norwegian Woodでいくはずだったのが、印刷の直前に電話がかかってきて変更になったのだそう。
理由は、な、なんと、「イタリア人にはそのタイトルは難しすぎる」だって!
ただ、タイトルについては、春樹がビートルズのNorwegian Woodからとったこと、
それがノルウェーの木なのに森になったいきさつなどなど、
ちゃんと前書きに説明したそうです。当時、日本で発売になったレコードの
歌詞の対訳が森になってたからなのだとか。
春樹は英語に堪能なはずだから間違いだってわかるんじゃない?って聞いたら、
そうだとは思うけど、とにかく対訳がそうだったから、ということです。」
(友人からのメッセージ)

その、そもそものレコードの誤訳について調べてみました。
DJ野村雅夫氏の2016年ビートルズ特別番組に寄せた記事によると、
これを最初に邦訳したのはビートルズ初代ディレクターだった高嶋弘之氏なのだそうです。
”もし英語のテストなら、訳としては完全にアウトだ。
何しろ、原題は“Norwegian Wood”で「ノルウェー産の木材」を意味するのだから。
英語が得意ではないという高嶋氏は「意味を取り違えた」と断った上で、内幕をこう話してくれた。
ただただ曲に耳を澄ませていたら、「ノルウェイの森」のイメージが去来したのだと。
「仮にそれが間違っていたとしても、リスナーは邦題をもとに詩の世界が浮かぶだろうし、
僕はその手助けをしていたのだ」と。”

フォト

(ホテルの内部)

なるほどね。
いずれにしてももう半世紀前のことです。
「ノルウェイの木材」ではなくて「ノルウェイの森」。
この取り違えは、幸運であったと言うべきなのかもしれません。

邦題をめぐる冒険
https://medium.com/fraze-craze/%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E9%82%A6%E9%A1%8C%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E5%86%92%E9%99%BA-eab4c57d7790

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