mixiユーザー(id:1940449)

2016年08月31日23:21

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アフガン

ロシア映画

まー ロシア版「フルメタルジャケット」だ
しかし 映画としての出来は
子供と大人ほど違う
なんでかね?
ロシア人ってのは こと芸術的な才能に関しては
同じテーマにおいて他の追随を許さない

フランス映画の「命の戦場」というアルジェリア戦争を描いた作品も同様のテーマだが
「アフガン」にはかなわない
三作品を頭の中で並べても
きわめて明確に「アフガン」が突き出ている

まー 他の作品が社会性を帯びた物語であるのに対し
「アフガン」は詩なんだな
陰湿な人間の暗部や
社会の理不尽
抗議の怒り
そういうものが表現されることはない
ただただ 流れていく戦争という状況下で
腹の底から笑い
悲しみ
絶望する
そのすべてが 最後にやりきれない結末へとつながっていく

訓練所を出て戦場に向かう前夜
村に住む「白雪姫」という若い女を皆が誘い抱かせてもらう
女はそこの訓練所では伝説的な好き者で
誰とでも寝る
訓練所や出た兵士は全員その女と寝る
さほど美しくはないその女の思い出を
幾百という兵士が胸に抱きながら戦う
訓練生の一人が自分の順番が回ってきたとき
彼女を見つめて
君は美しいとつぶやく
女は真顔で振り向き 彼に言う
馬鹿ね じゃあ結婚してよ
結婚してここに残って
それでも彼は彼女に美しい君は美しいと繰り返し
君は女神なんだと叫ぶ
それを聞いた訓練生は
全員が彼女にかしづき
女神に礼拝する
彼女は最初驚き
後に裸のまま彼らを笑顔で受け入れる

彼らは一人を除き全滅する
ヘリで救援に来た師団長が
今は只一人の生き残りとなった訓練生の一人を
泣き出さんばかりに詰問する
なぜ無線を切っていたのだ?
兵士は答える
任務完了であります
輸送部隊は通過できます
安全確保しました
師団長は彼に告げる
輸送部隊はこない
もうこないんだ
しかし彼は叫び続ける
輸送部隊の安全を確保しました
師団長はなにも答えず彼を抱きしめる

実は彼らが戦場にいる間に政変が進み
彼らは国家システムの中で
忘れ去られていた

「白雪姫」は戦争が終わった後も
国境近くの基地の周辺に住み続け
行方がしれない

数年の間に
すべては忘れ去られた

これは「桜の園」じゃないか
ロシア人にはかなわん
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