mixiユーザー(id:1940449)

2016年08月25日14:02

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代案を出せについて

代案が無ければ反対意見を述べてはならないらしい
よく政策決定において主張される
対案をお互いに提出しあい
その優劣正誤を論議の後
一方を採択せよ
というわけだ

まー前提として
どちらが正しいとも言い切れない
あるいは双方の利益が対立する
といった権益配分が議題となった場合には
議論のあり方としてはアリだろう

しかしまー そういった場合には
通常 対案が出ないことはないし
あったとしても 先行する政策に明らかな法規違反が見られる場合に限られる

ポール・グルーグマンというアメリカの経済学者がいる
彼が書いた「経済政策を売り歩く人々」という一般向けの読み物がある

この本の面白さは
わかりやすく経済政策が比較検討されている以上に
その政策決定過程の問題点が指摘されている所にある

アメリカの第二次対戦後の経済は
「マジックエコノミー」と呼ばれ
異様な成長と所得の拡大を見せた
しかし時がたつにつれその勢いは削がれ
「マジックエコノミー」はもう帰ってこなかった
しかし 経済は好転している 我々は前進していると言い続ける人々がいた
なぜ 「マジックエコノミー」が消えたのか
それを説明する書物は大量に発行されたが
その理由を説明できる経済学者は只の一人もいなかった
にもかかわらず
「マジックエコノミー」を蘇らせるとの言説が世に飛び交うのはなぜか?

対案が必要だったからだ

解らないという答えでは
政策につながらず
そして何より
選挙に勝てないからだ

そのギャップを経済学者ではなく政策プロモーターが請け負った
その出現以来
学問としての経済学は冷遇され
政治家が求める解を提出できる政策プロモーターが経済の諮問につくことになった
が 多くの場合その政策は
間違っている
彼らが自らのリクルートの為に世に出版する著書の多くは絵空事で
何の役にもたたない

というような内容の本だ
経済に興味がない人は
その経済的理論を省いて読めばいいw
わが国にも似たような連中がいるのに気付くだろう
政治にしても同じだ
答えの出せない問題であることをいいことに
底の浅い 解りやすい答えを大声で主張するプロモーターのいかに多いことか

対案が出ない事は
対案がきっちり提出できる事より遙かに多い
それはその問題自体が非常に難解で
解決困難だからだ
しかし人は よりわかりやすく
そして望む答えが容易に手に入る言葉に翻弄される
普通選挙制度の中では
政治に関する学問は
商品のマーケティングと似た原理で採用されるようになる

そりゃ 政治にはタイムリミットがあるわけで
何らかの合意に時間内で到達する必要がある
しかし その方法は
「多数決」では断じてない

「じゃあ対案を出せよ」というドヤ顔に浮かぶ知性の欠如は気のせいではない
マーケティングにうかうかと乗せられた
消費の羊の草食い過ぎた馬鹿面だ

対案はないのではない
理解困難なほど難解で
さも存在しないかのように
我々自身が振る舞っているだけだ

まー ないのと同じなんだけどさ
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