なんかこーそのあたり出身の人も知り合いにいるから
気が進まんところもあるのだけど
歴史は勝者が書くとよく言われる
その権力にものをいわせて
百年も主張し続ければ
そこそこのウソは歴史となる
70年前に派手に敗戦したこの島の住人ならそのあたりは重々承知だろう
しかし多くの人々が
我々は敗戦したのだと意識していない戦いがある
維新の戦いだ
あれはあきらかに
日本の政治機構が
維新勢力と戦って負けた敗戦の記憶だ
しかし 多くのこの島の住人は
あれが敗戦であるとは思っていない
そこには様々な理由はあろうが
一つには
勝者側に寄り添った歴史解釈がある
明治維新を正義とする維新史観だ
屈強なる薩摩隼人とその共同体の精強さのような伝説があり
明治政府以降の日本国に与えた基本的な支配構造は
その薩摩藩から生じたものも多いはずだ
しかし その薩摩の実体を書き記す書物は意外なほど少ない
彼らによって維新の正義は綴られたにもかかわらず
我々は薩摩を驚くほどに知らない
この本は
そんな 日本を敗戦させその後の支配階級となった人々の原型を調べたものだ
まー 人間の気質や習性など
データ化してはかるすべなどないし
やっても意味はないが
その特異性にはいささか驚く
こういう研究が後に続けば
維新とはなんだったのか
明治とは
日本の現代史とは
という問題に多くの仮説を生み出すようになるだろう
おもしろいよ
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