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2016年07月03日11:32

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振り向かない

朝近所のスーパーに行ったとき・・・

あるアパートで工事が入っていた。

ふと、考えたのはそれが作ってる途中なのか？或いは壊してる途中なのか？よくわからなかったという事・・・この違和感がフックである。

よくよく記憶を辿ると、それは２０年くらい昔に建てられてその工事を何となく覚えていた・・・
緑のベールをかけられていて・・・なんかそのドレープが美しかった気がする。

ちょうどこんな感じだった。

何となくセカオワの「虹色の戦争」を口ずさんでみた。

セカオワの詩を中二病というのは容易いんだけど・・・僕はかなりの確信犯だと評価していて・・・
「おいおい、それを言っちゃあ・・・」みたいな感覚はイギリスのスミスのモリッシーに通じる気がする。

「ミート・イズ・マーダー（食肉は殺人）」「ベートーベン・イズ・デフ」みたいにね

そんな感じで日常の中の虹色の戦争が目につきだして・・・

そんな風に世界を眺めていると・・・スーパーマーケットで買い物するという日常がエンターテイメントになるから面白い

「すき焼き（牛をと殺した後、残虐に切り刻み、他のもぎ取られた野菜を、生命の源である卵で絡めた食べ物）にしようかしら？或いは焼き鳥（まるで工業製品でも作るかのようなブロイラーで飼育された鳥を切り刻み焼くもの）もいいね

」

とかいった風にね・・・スーパーマーケットというのは虹色の戦争の末の戦利品になっているとか・・・そんな風に見立てる事も出来るわけだ・・・

一つことわっておくが、僕はスーパーマーケットの買い物が大好きだし、コンビニもよく行く

例えばこの季節になると「殺虫剤」なんかの売り場が特設されると思うんだけど・・・
虫が見たら・・・・そりゃあ飛んでもない事だ。
いやトンデモナイ・・・飛べなくなっちまうから「飛んでもない」でもいいのかもしれない。

「飛んで火にいる夏の虫」ってやつだ。

おそらくこういった妄想を数珠つなぎにするのが中二病なんだろう

ただ何かものを作るという事は・・・それこそ、中二病的な感覚が無いと出来ない・・・
そんな気もする。

世界との違和感ってやつなんだけど・・・
例えば、アメトー

という番組の中学の時イケテナイなんちゃらの面白さはこの辺りにあるわけで・・・

さて件のアパートの件なんだが・・・やはりあれは２０年くらい前に新築で出来た事は、この時点で確信しているわけだが・・・
ちょっと中二病的な想像の翼を広げる。

三匹の子豚の話だ・・・
あれは手間暇かけて作ったレンガの家が残るという寓話であるが・・・

日本家屋には紙や木が多用される。

日本的な美というのは死を前提にしていると思う・・・

日本庭園に苔が蒸した灯篭というものがあると思いだして頂きたい。
出来たばかりの時は何とも味気ない造形物だが、経年劣化とともに侘びたいい景色になる。

生きているという事は劣化してゆくという事である。
生物達は虹色の戦争を繰り返していて、劣化というのは例えばバクテリアであったり、菌であったり・・・酸や塩との戦いなのだ。

経年劣化により侘び寂びという美が生まれる。

初めから死や劣化を前提としている美は日本独自のものだという気がする。

そこが凄い・・・ノスタルジックに古を想う懐古主義ではなく・・・
遠く先の滅びすら美に取り込む感覚が凄いと思うんだ

これは意外と自分では発見だと思っている。

つまり、堅牢なものが結果として劣化するのと、予め劣化を意図するのではまるで違うという事だ。

ここで終わると中二病を拗らせた大人の妄想なので、大人ならではの分別を加える。

スーパーマーケットを考える。
最近のスーパーマーケットというのは頑丈には作られてはいるが、スクラップ&ビルドを前提としているので壊し易くも作られている。

そういった意味では日本的であると考える事も出来る。

ここへ来て「ああそうか！」と合点がいく。

例の作っているのか？壊しているのか？よくわからないアパートは、僅か20年くらいで取壊される事すら前提に、つまり未来の死をも取り込んだ現代の侘び寂びなんだと。

西洋のノスタルジーというのは結果から、過去を偲ぶもので、日本の郷愁、もののあわれとは趣が違う。