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2016年07月01日21:18

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ロング・ロード

日本列島改造論・・・田中角栄さんの７０年代のベストセラーである・・・

政治家の書物としては異例のベストセラーである。

最近、田中角栄さん関係の書物が相次いで出版され・・・
日本列島改造論も再評価されている・・・

新幹線や高速道路のインフラで都市を結び、物流、商流あるいは人、情報のバイパスを作り・・・地域格差をなくして地方再生をはかる・・・

確かに僕の住む仙台から東京までは新幹線で２時間かからないし・・・

同様に青森でも・・２時間を切っている・・・

これは子供の頃から考えてみると画期的に凄い！！
昔はそれぞれ特急を使っても半日がかりだった。

ところでこれらのスナップ・・・どちらが東京でどちらが青森かわかるだろうか？

同じようなカメラで僕が撮るから・・・自分でもたまにわからなくなる

それくらい情報格差もなくなっている。
僕はどこへ行っても同じような写真を撮るなあ・・・それは欠点でもあるし、ブレない軸のようなものでもあるんだけど

日本列島改造論は地域創生のためのインフラデザインの「王道」なのかもしれない。

果たしてそれは「本道」或いは「正道」なのだろうか？
なんども書いてるかも知らないけど・・・秋田や青森は人口流出が止まらない・・・

実はこの手のスナップを撮るのに東北の街角なんかでは小一時間かかったりする。
何しろ人がいない・・・

夕方のシャッター商店街なんか・・・どうにも絵にならない。
ただ・・・ここでふと疑問が生じる・・・

シャッター商店街とは果たして忌むべき光景なのか？

ここが王道か？正道か？の分かれ目だと思うのだ・・・

昔、竿竹やはなぜつぶれないのか？みたいなベストセラーがあって・・・その方の書物に目から鱗が落ちた記憶がある。興味のあるかたは是非

さて・・・ここで件のシャッター商店街に全国チエーンのコーヒーショップやコンビニエンス、或いはカラオケボックスなんかを誘致すればいいのか？というと僕はそうは思わない。

というか、シャッター商店街に全国チエーンなんかが建ち並んだら地方創生どころの話ではない・・・

地域性という貴重な個性という資産が台無しだ。

そして、シャッター商店街がそうならないのは「固定資産税」が払えているからである。

つまり他に収入があるのだ。
それは竿竹やが潰れないのと同じ理屈である・・・
そしてもっと言うと、本来商店のシャッターとは閉店時に閉めるものだし、閉めるという事はまたいつか開けるという意思があるという事だ。
コンビニのように24時間空きっぱなしというのが異例なのだ。

つまり、異例の業態にならない本来の商店街の姿をがんばって守ってるとも言える。

以前の僕はこういう写真はスナップの王道ではない！！と思っていた。

こんなのもね・・・フィルターで曲げられた色彩や光はいかにも人工的で不自然だ。

だけどスナップの本質とはエンターティメントであり、市井の生活をイキイキと切りとる事と考えればそれほど邪道ではない気もする。

こんなデザインがある・・・

どう見ても換気扇なのだが・・・これはCDプレーヤーである。
これは機能美を追求するデザインの王道からは大きく外れる・・・だが正道、僕はそんな気がするんだ

デザインというものは人の生活を愉快にするもの・・・
或いはもっと言えば換気扇というのは空気を快適にするもの・・・音楽というのも空気の振動・・・といさささかこじつけがましいが・・・それぞれ空気をよくするもの・・・なんて考える事も出来る。

日本中がコンビニエンスに埋めつくされるより、僕は個人的にシャッター商店街の方がいい。