不定期に書いている、読んだ本の備忘録。
●「ブラックホール・膨張宇宙・重力波」 (真貝寿明著、光文社新書)
アインシュタインが一般相対性理論を創り上げてから、ちょうど今年が100年目になる。当時としては、あまりにもそれまでの常識から飛躍しすぎていると思われたが、それから100年を経て、いろいろなことが分かってくるにつれ、この分野はさらに発展していった。この本は、ブラックホール、膨張宇宙、重力波という、現在の研究の主流を、これまでの経緯から最新のトピックスまでを概説したものである。まだまだ未知の領域が多い分野だけに、これからの進展も大いに期待できる。
●「微生物が地球をつくった」 (ポール・G・フォーコウスキー著/松浦俊輔訳、青土社)
地球上に生物が誕生してから現在まで、地球生命40億年の主人公である微生物。微生物の基本的な機能を、電子(あるいは水素イオン)のやりとりと見て、地球上の生物活動によって生まれる電子の循環システムを維持しているのが微生物であると説明する。地球上が生命の活動に適しているのも、まさに微生物のおかげといえる。生物は専門外なので、やや読むのに難儀した部分はあるが、読み終わってみれば面白かった本。
●「ベルギービールという芸術」 (田村功著、光文社新書)
ビールの本場といえばドイツやイギリスがすぐに思い浮かぶが、ベルギーのビールを忘れてはいけない。二つとして同じビールは無いといわれるベルギーの多彩なビールは、まさに独特の味と香の芸術品。この本はそんなベルギービールの魅力をとことん書いたもので、読んでいるうちにベルギービールが飲みたくなる。Duvel、Chimay、Orval、Tongerloなど、日本国内のそこらの酒屋でも容易に入手できるベルギービールも多いし、ベルギービールをもっと楽しみたいという気になった。
●「幻の時刻表」 (曽田英夫著、光文社)
明治から戦前にかけて、現在となっては幻ともいえる路線や列車を、当時の時刻表を頼りに見ていこうという本。「東京発巴里行」なんてスケールの大きな欧亜連絡列車もあったし、本線から支線に転落したり(これは新幹線開通のあおりを食らってローカル線化した、現在のJRにもある)、今は廃止になった路線の現役時代や、私鉄から国鉄になった路線の私鉄時代など、さらに戦前は「日本領土」だった土地の鉄道など、鉄道好きには興味が尽きない話が満載。
●「知られざる鉄道路線の謎」 (杉山淳一監修、宝島社)
パラパラとめくって、「知られざる」内容はほとんどなく、今さらな話ばかりだし、なんで買ってしまったのだろう? まあ、それなりに面白いことを整理してまとめてあるし、よいのではないかな。
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