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2015年09月26日02:10

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ジャワのガムラン

ジャワのガムラン音楽と舞踊を見てきました。

そもそも、あの小林一三が商工大臣だった時にインドネシアへ行ったことがあり、その時にジョグジャカルタ王家を通じてガムランを購入して日本に持って帰って来たそうです。日本にガムランがもたらされたのはこれが初めてです。そのガムランは宝塚歌劇でも2回ほど公演で使われたことがありますが、長らく倉庫で眠ったままになっていました。
それが平成になってから…と言ってましたっけ、倉庫から発掘したところすっかりボロボロになっていて演奏できなくなっていました。しかしインドネシアに連絡を取って修理できないか調べたそうです。そうしたら「送ってくれたら修理する」という返事。それを聞いた担当者は即空輸で送ったということです。そうして現地の職人さんによって見事に修理が出来上がったのでした。
そうしてこのガムランは現在は阪急文化財団の所有となっているのです。

ガムランは作られてから100年ぐらい経ったものが一番いい響きになるそうです。このガムランもそろそろ100年ぐらいたつので、ちょうどいい響きになっているころ。
大阪市立大学大学院教授の中川真氏がジャワの伝統音楽と創作をするために「マルガサリ」を設立しました。その「マルガサリ」が今回このガムランを演奏することになりました。場所は阪急文化財団の逸翁美術館内のマグノリアホール。

前半はまず3曲。
1曲目は打楽器中心で、ゆったり奏でられる金属の響きがホール全体に柔らかく響きます。
2曲目は弦楽器、竹笛、木琴、人の声も加わります。
3曲目は少し長い曲。さまざまな楽器と人の声が混じりあい、直線的なメロディーではなく無限に続くように思われる響きが呼応しながら体に響いてきます。耳で聴く音楽ではなく体で感じる音楽とでも言いましょうか。

休憩をはさんで、楽器の入れ替えがありました。鍋のような形のガムランが一つずつ入れ替えれれていきます。
休憩後は中川氏の解説とお話です。ガムランの由来、修理のお話。
鍋のような形のガムランで、黒ずんだムラのあるものが小林一三のもたらしたもの。休憩中に入れ替えたのは、この後演奏するのが新しい調律の音楽で、楽器も新しいもの。その後また古い楽器に入れ替えて演奏します、とのこと。

後半1曲目は短い歌です。
それから2曲続けて舞踊。
ジャワのガムランは、18世紀にマタラム王朝がジョグジャカルタ王家とソロ(スラカルタ)王家に分かれてからそれぞれ二つの系統に分かれました。小林一三のガムランはジョグジャカルタ王家のもので、舞踊もジョグジャカルタ様式です。
華やかな衣装や髪飾りを付けた女性の踊りです。踊っているのは日本人のジャワ舞踊家。

最後の曲はインドネシアの舞踊家です。もともと男性の踊りだそうですが、女性が男装して踊りました。背中に剣を差していますが、ジョグジャカルタ王家の家臣のスタイルで、剣は家臣の誇りだというのを聞いたことがあります。…現在、ジョグジャカルタの王様は州知事をやっていますが、王宮にはボランティアの家臣がいて儀式を受け継いでいるのです。

舞踊はいずれもゆったりと優雅な動きです。インドネシア人の方がやはりゆったりした動きの中にも緊迫感があり、みごたえがありました。

バリ舞踊はだいたいもっと激しくきびきびしたうごきですが、ジャワ舞踊は手や足の動きは似ているものの、動きがかなりゆったりしています。カンフーに対する太極拳みたいな感じで、同じような動きなのにゆっくりしているという…。

また、ガムランも見かけはバリ島とよく似ています。金属器は青銅製でずんぐりしたお鍋のような形のものを大小並べたもの、鉄筋のような金属片を並べたもの。大きな太鼓、そしてゴング。

終演後、演奏家の方たちが楽器を片づけたりしている所へお客が楽器をのぞきに行ったりして、また奏者に知り合いがいるらしくて声をかけたりしていました。私もどさくさにまぎれて中川氏に声をかけてみました。
まずバリのガムランと見かけはよく似ているけれど違うものかどうか。
そうしたら、調律や音階が違うので全く違う楽器だということ。バリとジャワでそれそれ互いの楽器を演奏することはできないということです。形は似ているので、ルーツはもともと同じなのかもしれません。

そうしたら演奏家の皆さんが並んで記念撮影が始まりました。

演奏を聞きながらインドネシアへ行ったときのことを思い出しました。
バリ島の歌舞団の来日公演を見て、これを現地で見て見たい!と思ってから幾年月…。
もちろんボロブドゥールも見たいので、ジョグジャカルタとバリ島セットでインドネシアへ行きました。その時ジョグジャカルタ王宮を見て、大きなガムランのセットがあったこと。ジャワ舞踊の公演を見に行ったこと。
それからソロにも行きました。ソロ王宮も見てきました。
インドネシアの歴史はいまいち頭に入っていませんが、ジョグジャカルタ王家とソロ王家があったのか…となんとなく覚えました。

そうしてバリ島ではバリ舞踊を見て、お土産屋さんでDVDも買って。
バリ舞踊の方がなじみがあったのですが、今回バリ舞踊・バリガムランとジャワ舞踊・ジャワガムランの違いもよくわかりました。

そうして家に帰って探したら…「中部ジャワのガドン」という民族音楽シリーズのCDがありました。ガドンはガムランの編成の小さいもの。ずっと前に買って内容はかなり忘れていたのですが、そういえばあったよな…と思い出しました。ジャケットの写真はルバブという弦楽器で、さっき行ってきた演奏で使われていたものとよく似ています。このCDはソロ様式のガムランです。よく持ってたなー。なんで買ったのかよくわかりませんが。だって、CDの解説についてる民族音楽シリーズ一覧を見てたら、ジャワ音楽だけでも数種あるのに、なんで「ガドン」というタイトルのCDを選んだのか…ナゾです。

写真が4枚あるので「フォト」にUPしてきました。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000096983957&owner_id=1362523
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