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2015年09月26日01:18

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「こんな日本でよかったね」 内田樹

おれがこの本を手にした理由は
内田樹という人が知りたかったからだ
なぜ知りたかったかというと
この内田樹と言う人が 今回の反安保法制運動の仕掛人だからだ
SEALSがAKBなら内田樹が秋元康だ
それだけならそれほど興味もわかなかっただろう

これはおれの勘なんだけれども
内田樹はこのような運動に身を挺する人ではないと思われた
学生運動の経験者ではあるけれども
もうその頃とはまったくバックボーンが違っているだろう
何より
SEALSのうら若き面々の青臭い正義感に与する思想ではない
そう思った
ではなぜ?というのがきっかけだ
なぜ彼等を持ち上げ 自らも行動するのか?

で 彼の書籍の多くは彼のブログから来ているらしいので
ブログを読めばいいんだけれども
おれは 本じゃないとイヤだ
正規の学者が主張をするなら
ちゃんと印刷製本した出版社の本で読まれるべきだとおれは思っている
それが言論の淘汰手法だ
で それが知識人階級を支える金蔓だからだ
多くの物書きはそれで食えなくてはならない

結構売れている作家だ
まー 正直言っておれはあんまり興味なかったんだけれども
現代思想なんかの分野ではベストセラー級のヒット作を連発する人気者らしい

今回は 何冊か手に入れたそのうちの一冊
「こんな日本でよかったね」
この中に彼が行動する理由があったと思った
まー おれの勝手な勘やけれどもw

「人はなぜ葬礼を行うか」
続いて
「喪の主体を引き受けるということ」
そして
「政治運動の喪主」
という三つのタイトル順に書かれた小論の結論が

「政治運動にはその最後を看取る喪主が必要である」

というものだ

引用

政治的主体の果たしうる最も重要な仕事はそのようなサニーサイトにはないからである
凋落する政治運動の「死に水」を取る人間がどれほど誠実にその仕事を完逐したかによって政治運動の新の価値は決定するのである

引用終わり

おれは この人は
今回の安倍政権による安保法制に反対する運動を
新しい一つの運動としてではなく
六十年 七十年安保から延々とというかだらだらと続いて冷戦の終結で完全に尻切れトンボになってしまったこの国の政治運動の連続するものとして捉えているのではないか
と感じた
この後の議員落選運動までをプロデュースして
最後にこの国の左翼系運動というものの最後を看取る喪主になろうって腹なんじゃないか
そう思った
彼なら 多くの人間に
彼の文章で伝えられる
彼以外にそれができる人間もいないだろうと言うのもわかる
彼は同書の中で
自分が若き日に書いた学生運動のアジびらを見て
「若造が何を世間知らずなことを言ってやがる」
と興味も共感も持たない人間であることを告白している
その彼が
心の底からアヤシゲな若者集団を礼賛する必然性などドコにもない

この国の政治運動は
マルクスを「多数決」で排除して以来
ろくな思想を持つことがなかった
どこかの時点で
誰かが
決定的に敗北を宣言しなければ
ずるずると左翼は劣化していくだけの存在になる
そして 対する保守も全く同じ道を歩むだろう
残る道はフランシスフクヤマみたいな「歴史は終焉した」との
題名からして突っ込みどころ満載の「アメリカン・マインド」に飲み込まれるしかない

おれたちは アメリカ人とは違って
もう少し人生が複雑な筈だ

まあ 内田先生
頑張ってw
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