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2015年09月25日00:35

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検証 なぜ安保法案は成立したか 4.九条の意義の喪失

もしこの国に九条なかりせば
我等は如何にして平和を義務として捉える事ができたのか?

日本人の多くは
この国が平和を国家的目的として捉える義務があると考える

自分達の国家が平和である_為には_
この国が平和憲法を持たなくてはならないのではない

平和憲法が普遍的な立法の原理であるとして妥当しうるように行動すべしであるとし
_無条件_で平和を求めよとする意思を持つ事

それを国家に対し国際社会への義務として意思するように
我々日本人は望んでいる
少なくともその望みは「道徳である」と信じている


「永遠平和の為に」 カント
付録1.永久平和という見地から見た道徳と政治の不一致について 88-81

引用

道徳は 無条件で命令する諸法則の総体であり 
我々はその諸法則に従って行為_すべき_なのであるから
道徳はすでにそれ自体として 客観的な意味に於ける実践である
したがって
この義務概念に権威を認めた後で
それを為す事が_できない_となお言おうとするのは明らかに不合理である
その場合には この義務概念は自ずから消滅する事になるからである
(誰でもその能力以上に義務を負わされる事はない)
したがって
実地の法学である政治と 理論的な法学である道徳の間には
いかなる争いもありえない
(したがって 実践と理論との間にはいかなる争いもありえない)
もっとも 道徳を一般的な_怜悧の教え_ つまり利益をあれこれ打算する意図に
もっとも役立つような手段を選ぶ格率についての理論と考えるなら話は別であるが
しかしこれはそもそも道徳の存在を否定する考えなのである
 
政治は「蛇のように怜悧であれ」という
道徳は(それを制限する条件として)「そして鳩のように正直に」と付け加える
この二つが一つの命令のうちで両立する事ができないなら
政治と道徳の間には実際に争いがあることになろう
しかし この二つがどうしても合一しなければならないとすると
対立という考えは不合理であり
この争いはいかにして調停されるべきかという問いも
決して課題として提出されたりはしないであろう 

___中略____

専断的にふるまう(実行にかんして欠陥のある)道徳家たちが
国家政略に(対策を急いで採用したり 勧めたりして)様々な点で衝突する際に獲得した経験が 彼等を次第によりよい軌道へと導くに違いない
これに反して 道徳を説く政治家達は
法に反した国家原理を擁護し
人間の本性は理性が命ずる理念に従って善を_なすことができない_という口実の元に
力の及ぶかぎり 改善を不可能なものとし
法の侵害を永久化するのである

引用終わり


我々日本人はカントの子供だ
冷静な彼がいつにない熱弁を振るった情熱の直系の子孫である
我々が彼の子供である理由は
この憲法の九条が占領国によって与えられたからではない
この憲法九条を「道徳である」と_意思できる_からである

この憲法に九条があったればこそ
我々は政治の怜悧さに対し論理を対抗させることが可能なのだ
で これは奇跡である
世界のいかなる平和主義者の住む国家の国民も
平和が道徳だと
そして 如何にそこに不利益があったとしても
無条件で守るべき道徳であると
時に守りきれなくとも
たとえ政治が法を侵害しようとも
この平和主義が信ずるに足る国家原理であると
そう信じているのは
全世界で 我々日本人だけである
多くの国民 老若男女問わず 教養有る無しを問わず右派左派問わず
平和が定言命法で求められると信じているのは間違いなく我々だけだ

それが九条の仕事であり価値だ

いるだろ
けっ そんな御題目唱えて殺されてりゃ世話ねえぜとか言う奴
ならば理念に殉じた特攻隊の若い兵士の死も同じように笑え
「構造」とはそういうものだ

人間は必ず間違うし
信念は絶えずウソだ
しかし
どんなに解釈を変えられようとも覆されようとも
この条文が示す道徳は信じ続けなければダメだ

我々は この九条の価値について
あまりに身近すぎて見えなくなっている
この価値を明確に提示できない もしくはする自信がない我々が
この法的な暴走を生み出した原因の一つに間違いない



■乱暴行為を相互に謝罪=安保法採決の混乱で―自・民
(時事通信社 - 09月24日 19:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3631230
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